会長 深田一弥の異見!

2016年5月23日

S紙よ、謙虚であれ

 メデイアと言うと現代はTV、ラジオ、新聞、週刊・月刊誌だけでなく今はネットもある。しかし、その中ではやはり新聞が一番信用されるメデイアではないだろうか。私は日本の三大紙と言われるA紙、M紙、Y紙と経済紙、それに右寄りと言われるS紙、さらに地元情報のため地方紙Kに毎日目をとおしている。

 特にS紙については、かなり以前から他紙では遠慮して書かない共産中国や北朝鮮については事実を伝え、歯に衣着せず厳しい批判をしているのが気に入っていた。但し、最近はどうも民主党国会議員に対して執拗に誹謗中傷を続けているのが気に掛かってはいた。特に原発事故当時の菅首相の対応を何度も批判している。

 しかし、S紙が伝える菅首相の対応が被害をさらに拡大させたかの如き記事にはいささか疑問をもつようになった。と言うのは私が知る理学、工学の学者等専門家達が一様に当時の菅首相の対応は適切で彼だからこそ原発被害があの程度済んだと口を揃えて言う。勿論彼らは思想的に中庸な人達である。私自身も素人ながら色々文献を当たり、検討し、どうも彼ら専門家の意見の方が正しいのではと思うようになった。そういう目で見るようになるとS紙への信頼が揺らいできた。

 東日本大震災より前のことだがS紙の記事内容が私の専門で見ると不正確なのでそれを指摘する意見を送ったがなしのつぶてであった。しかし、ほぼ同時期に掲載されたある東大教授の記事への意見については、丁寧にその教授からの回答を返信してくれた。どうも自分たちが批判されたことには無視するのかなと思った。

 実は今年5月半ばにS紙の一面にかつては政治家であった有名文筆家I氏の意見が掲載された。わが国の航空産業が如何に米国から圧力を掛けられ続けているかの内容である。その中で気になったのは、自衛隊の戦闘機選定について誤った事を書いていた。I氏は自分の文章に自信があるのか勢いで書いてしまうようだ。こういうところに書く彼の文章は、文筆の専門家なのにセンテンスが長く、また時期にズレがあるのに「かつて」の多用であまり上手と言えない。また思い込みで裏を取らないのか誤りを平気で書く、以前にあったことだがそれが個人に関わることでもあり名誉毀損でないかと思うこともあった。

 私は今回の掲載当日、S紙の意見窓口にI氏の誤りを指摘するメールを送信した。直ちに訂正のメールが来るかと思ったがなかなか来ない。そこで私は思い当たった。そのメールには「御紙の切れ味鋭い記事に敬服しています。但し勢い余って時々筆が滑るのが…。…I氏は裏を取らない習性があるので彼の意見を掲載される場合は内容をよく検討されたい」とS紙への揶揄と忠告のような書き方をしたのが自信家のS紙記者達の神経を逆なでしたのかも知れない。

 彼らの自信満々で自分たちは正義を貫いているのだと思っている言動が最近は鼻につくようになった。そういう言動が韓国で起訴されるようことになったのではないかとも思う。マスコミへの圧力は許さないがそこをうまく切り抜ける記事にするのが記者の技量ではないのか?如何に自らに正義があるかを言う前に、そういう反省もするべきだろう。また自らの記事に誤りを指摘されたら即訂正するのがメディアの責任でもあろう。他者の誤りは執拗に攻撃するのだが。「誤りを改めるに如くはなし」と言うではないか。 

 S紙へメールを出してから1週間経つが未だ何らの返答がきていない。


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