所長 深田一弥の異見!

2020年7月27日

中国を異形の大国にしたのは誰か?

 最近、米国トランプ大統領の対中政策が香港への優遇措置廃止や国内の中国領事館退去命令など激しさを増している。

 中国は、新型コロナの原発生地にも拘わらず知らぬ顔を決め、コロナ禍で苦しむ国々に援助の手を差し伸べようという相変わらずの厚顔無恥である。習近平は、我が国に国賓待遇で招かれていたにも拘わらず尖閣諸島近海へ領海侵犯を繰り返している。経済困窮国には援助の形を装って融資をし、返済不能になると担保の港を強引に取ってしまう。これは現中国が共産全体主義国家でありながら世界第二番目の経済大国になったからだ。

 20世紀初頭の中国は清の崩壊以来、国が乱れて世界列強の欲しいままにされていた。我が国は1931年の満州事変以降、軍部は中国侵出を虎視眈々と狙っていて、その後盧溝橋を発端にして中国に攻め入った。当時中国の政権は蒋介石率いる国民党であったが、一方毛沢東率いる共産軍はソ連の援助を受けながら国民党軍と戦っていた。日本軍は国民党軍だけでなく共産軍とも戦うことになった。一時、国共合作はあったものの、うまく行かず、共産軍は中国の奥地、延安に引っ込み、時が熟するのをじっと待っていた。

 日本軍は国民党軍には常勝していたが、連合国に降伏すると連合軍に入っていた国民党軍にも降伏することになった。延安で満を持していた共産軍は、満州で降伏した日本軍の武器をソ連から支給されて国民党軍に戦いを挑んだ。国民党軍は日本軍との戦いにかなり疲弊していたし、共産軍と異なり兵の軍律は乱れていて住民の支持も低かった。さらに国民党軍を支援していた米国は、あの国の常で日本が敗れるとさっさと支援を止めてしまった。米国政府内にはルーズベルト大統領時からかなり共産主義のシンパがいた事もある。それで国民党は共産軍により、台湾に追いやられることになる。

 占領時、日本を治めたGHQ民政局には、ND政策を支えた容共のいわゆるニューディーラーが多かった。しかし、1946年の英国チャーチルによる「鉄のカーテン」論もあり、米国もソ連敵視策に変わったため国民党を再度支援するようになり、現在に至っている。国民党に勝利した共産党は、毛沢東が中華人民共和国を成立させた。その後大躍進政策等各施策を経てもなかなか貧困から脱することはできなかった。米国がニクソン大統領の時、歴史的な中国との国交を開始した。遅れじ、と我が国も田中政権時国交を持つこととなった。台湾の国民党政府は国連を追い出され、新たに共産中国が加盟国となった。それでも経済は一向に良くならなかった。

 外貨が底をつく寸前、窮した当時の中国周恩来首相は、日本の田中角栄政権に資金援助を願った。色々議論はあったが、田中は、ODAという形で援助することとした。その資金により中国は経済活性化を押し進めることが出来た。低賃金に魅力を感じた世界のメーカーはこぞって生産基地を移したことにより、いつの間にか中国は世界のサプライチェーンを握るまでに成長した。しかし中国は、日本をはじめ世界の国々に感謝するどころか、大中華思想の信奉者、習近平主席は大国意識で世界に君臨しようとしている。

 国民党を一時は見捨て、中国共産党の本質を理解せず思うままにさせた米国。ODAで日本国民の税金を惜しげも無く拠出した我が国政府。低賃金とマーケットの大きさに魅力を感じて一斉になだれ込んだ世界の多くの企業、これらが中国を異形の大国にしたと言える。