所長 深田一弥の異見!

2019年2月21日

嫌な社会風潮を憤る

 社長を子息に譲った76歳の元企業経営者が来所した、1時間ほど話していった。先ず後期高齢者医療保険料の高さを嘆いていた。夫人も後期高齢者になったのでそれぞれに保険料を支払う。国民健康保険は世帯ごとだが、後期高齢者医療保険は各人ごとなので大変だ。これが今、75歳以上の高齢者の悩みの種である。75歳以上生きていることが悪いことで、罰則でも受けているようだと。

 その彼が現在の社会風潮が嘆かわしいと憤っていた。国民へサービスするべき公務員のモラルハザードが著しい。昨今続いた幼児虐待死を見ると、児童相談所の職員達は結局人ごとでの対応しかしていないのではないのかと思える。現場がそうだが、高級官僚達も政権に阿って、書類を改ざんしたり、隠したりしても処分をされない。正義を貫こうした真面目な職員が自殺に追い込まれても組織は知らんふり、責任者は処分もされない。

 また不正をした高級官僚の所管大臣も自分は「知らぬ存ぜぬ」で責任を取ろうとしないし、総理大臣は自分を守ってくれた忠臣とばかりに続投させる。無知で失言が多い大臣でも自分が任命したのだからと辞めさせようとしない。また、マスメディアも不思議とそれほどこういう面々を叩かない。それでも少数だが叩くメディアがあると、偏向報道だとメデイア同士で叩いている。まるで大手メディアの殆どが政権のためのPR機関に成り下がっているのではとすら思える。

 かつての自民党政権は、少しでも口が滑ったり、不祥事があった大臣は即刻首をすげ替えたし、メディアも容赦なく叩いたものだ。だから政権はメディアを通してではあるが、常に世論の動向に敏感であった。今は、民主的な選挙で選ばれたのだから自分たちの考えで何をしても良いと思っているかのようで自律という意識もないようだ。メディアは何故口をつぐんでいるのだろう?

 また、確かに野党もだらしないが、それを首相が国会の場で悪し様に言うのも行儀が悪く見ていて良い気持ちをしない。現政権の支持率が高いと言うモノの、それはメディアが叩かないからだろう。メディアが叩けば一発で支持率は低下する。

 日銀のマイナス金利政策を見ても、正に政権に阿ってのことだ。中央銀行とは金融政策について独立性を持ち、政権の圧力にも負けずに客観的な見地で政策を行うものと思っていた。しかし、政権のデフレ脱却期待を受けて金利をどんどん下げてついにマイナス金利になったにも関わらず、一向にデフレから脱却することが出来ないで居る。現総裁は、中央銀行総裁失格と言えよう。

 私は、かつて我が国が戦争に突き進んでいった経緯を調べている。一部の声の大きい者が進めたことが、反対者を暴力で押さえつけ、マスメディアも途端に臆病になり、強硬派のお先棒を担ぐような記事を載せ、政権はそれが民意だとばかりに、戦争に突き進んでいった。現在の状況は当時とかなり似ているのではと心配になってしまう。

 グローバリズムは世界的に見ても反省の時期にきているし、金融資本主義では国民を幸福にできないことが明らかだ。政権、官僚そして産業界それぞれのトップ達がもっと使命感を持ち、国のため、そして国民の幸福のために何が必要か、何をすべきかを充分検討し、市民に格差を感じさせない平穏な社会にして欲しい。これが件の元企業経営者の願いであり、私も全く同感であった。