会長 深田一弥の異見!

2022年1月5日

部品が足りない

 新年にふさわしい話題ではないが、12月に入って間もなく、拙宅の給湯器が壊れた。購入後10年経ったが、説明書に記載の5月の定期点検を受けなかった罰かと思い、直ぐにメーカーに連絡した。メーカーから連絡を受けた業者が直ちに駆けつけてくれたが、今は部品がないし、新しい給湯器は3月にならないと入ってこないと言う。

 あわてていくつかの家電販売店に電話して見るも結果は全く同じである。これから寒さ厳しくなる年末に向けどうしようかと思った。老妻は炊事洗濯も冷水かと嘆く、私はむしろ風呂に入れないことが困った。確か前の給湯器は20年以上動いていた筈だと思ったが、今は10年で駄目になってしまうのか。拙宅のは石油なので恐らく不完全燃焼なのだろう。煤を掃除すれば大丈夫と思うが、今の機械は、全自動は便利だがセンサーが感知すると途端に動かなくなってしまうのも困る。私は少しだけ機械には自信があるので、壊れた給湯器のセンサーを騙せば良いのだろうと、色々試みたところ38℃の微温湯なら何とか動かせるので炊事、洗濯は間に合うことが出来たが、問題は風呂である。

 車で5分もすれば行ける「○○の湯」に行くか、しかし毎日は面倒だ。それではアパートを半年ぐらい借りるかとまで思案した。拙宅は、建築時には両親と同居もあるかと2階にコンパクトなバストイレを設置していた。そこはガス給湯器があるがもう30年以上も殆ど使っていないし、ガスの定期点検も不使用を理由に断っていた。それでも恐る恐る点火してみたら何と正常に動くではないか。直ちに物置化していたバストイレを片付け掃除をして何とか風呂の心配は無くなった。全自動は10年で駄目になるが、アナログは40年近くなっても稼働するという皮肉なことになった。

 何日か経過したある日の新聞に、全国的な給湯器不足が社会問題になっていると言う記事が出ていた。賃貸アパートの給湯器が壊れても修繕が出来ないので大家さんは入居者に銭湯代を負担しているところもあるという。そうしていたところ当事務所職員の一人が入居の賃貸マンションの給湯器が壊れて、毎日銭湯通いをしないといけないと話していたので、大家さんに別室用意か銭湯代を負担して貰ったらとアドバイスした。

 私がいくつか困って電話した先に、いつも電化製品を購入している町の電気屋さんから連絡があり、20日ほどでメーカーは違うし全自動ではないが給湯器を手配できるがどうかと言う。わらにもすがる思いで直ぐに「お願いします」と伝えた。現在のメーカーからは「給湯器の順番待ちをしますか」と電話があったがすぐさま断った。

 コロナ禍から、多くの業種で部材不足が言われている、半導体不足で自動車生産に制限が出ているとか、住宅建築では、部品がないのでバストイレの設置ができないとか、そして今回の給湯器騒ぎである。

 メーカーはコスト意識から低廉な海外製の部品を多く使っているがこういうときは不便である。いわゆる国際分業も見直しの時期にきているのではないか。コストが高くても供給の安全性や品質の面で国内生産を育てるべきではないか。今は平和だから良いが、もし一旦どこかで戦争でも起きれば途端に部品は入って来なくなる。武器で無くても生活用品も戦略物資になることの意識を持つべきだと思う。また、何でも大型店になっているが、町の電気屋さんはこういうときには大変に頼もしい存在であることも付け加えたい。


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