会長 深田一弥の異見!

2014年9月17日

街の防犯への提言

 先日来行方不明になっている神戸市の小学校1年の女子児童は未だ見つかっていない。最近、不景気のせいもあるのか、街中での犯罪が多発しているように感じる。かつてなら、人の目があって犯罪に至らなかったことも、街が寂れたことと、車社会なのでとにかく歩行者が少ないので目が行き届かないのだ。住宅街はもとより、商店街ですらシャッター通りで外にいる人は少ない。そのため防犯カメラが取り付けてあるのだろうが、犯罪者はそう言う場所を避けるか、カメラの死角で事を行う。これからは本気で街中の防犯体制を強化すべきと思う。

 もう10年ほど前になるが、あることで名が知られるようになった元警察庁長官の話を東京で聞く機会があった。これから日本も国際化が進み、それに伴い犯罪も多くなる。現在、国の財政状況もあるので警察官が増えない。しかも都市が広域化して一人の警察官の担当地域が広くてとても対応できない。もっと警察官を増やせるよう市民から要望を出して欲しいということであった。数百人居た聴衆はどう感じたか知らないが、私は自分でも意識しないで手を挙げてしまっていた。

 「確かに私の居る仙台のような地方都市でも犯罪が増えていてしかも未解決の凶悪事件もあります。しかし、国、地方財政が厳しい時に警察官一人を増やすと給料その他で恐らく年間1千万円では済まないと思う。長官には釈迦に説法だが、かつてひどかったNYの治安はジュリアーニと言う市長が就任し、有名な「割れ窓理論」で小さな犯罪を徹底的に取り締まれば大きな犯罪の抑止になるとして、黒人やヒスパニック等を安い給料で雇い、ピストルを持たせないで交通違反、地下鉄での犯罪や自転車盗を徹底的に取締り、犯罪都市の汚名を返上したと聞いている。我が国でそのまま導入は難しいが、例えば私は今61歳だが、同級生は定年でほぼ全員退職していて皆元気でかつてはスポーツで鳴らした者も多い。そういう人達は年金があるので安い給与で雇い、二人一組で携帯電話だけ持たせて街中を歩かせればかなりの防犯になるのでは?」と提言した。

 会場から少しの拍手もあったと思う。元長官の回答は「ある地域ではボランティアでそれを既にやっていますよ」と言う。私は「是非、それを善意の人達に無償でと言うのでなく、いくらかの費用負担はすべきですよ」と言った。元長官はムッとしたように「ジュリアーニは通常の警察官もかなり増員したんですよ」と宣った。つまりエリート官僚の彼は自分の意見に反論されたのが面白くないのだろう。

 確かに、今、警察官の担当地域が広域で大変だと思うし、それを補うためか仙台市内では警備会社で防犯パトロールなるものが軽自動車に青いランプをつけて走っている。しかし、かつての警察官は足で歩くか、自転車に乗っていた。パトロールカーの密室では例え周囲に目を光らせているとは言うものの、一過性に過ぎない。辺りの空気は読めない。昔のアメリカの映画あったようにパトカーの赤いランプが見えると不良少年達はサッと物陰に隠れてやり過ごし、通り過ぎると出てきてまた悪事を始めると言うのを思い出した。

 大人の目が常に行き届いていれば、かなりの犯罪、特に青少年犯罪は激減すると思う。それは警察官である必要もないし、口うるさいおばさんでも良い。散歩代わりに二人一組で1、2時間街中をパトロールしていくことで、国内で頻発している幼女誘拐などはかなり防止できると思うが。


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