会長 深田一弥の異見!

2013年10月3日

五輪マークや標語の商業使用

 引き続き五輪関係の話題であるが、2020年五輪開催地が東京に決定したことでのフィーバーが未だあちこちで続いている。確かに地球規模の行事であるし国民的関心事であることは間違いない。ところがそういう風潮に冷や水を浴びせるようなニュースが報道された。「五輪商戦商標に注意!」と題して、五輪マークや標語を商業として利用するには大きな制限があると言う。

 五輪の運営にはスポンサー企業の多額の協賛金が欠かせず、日本オリンピック委員会(JOC)などは、商売上五輪を想起させるような言葉を使うと「便乗商法」と見なされると牽制している。それを強行すると裁判等で多額の損害賠償金を支払うこととなりそうだ。

 例えば「オリンピック」と言う文字や「五輪マーク」は国際オリンピック委員会(IOC)の登録商標であるのでこれの勝手な使用は認められないのは何となく分かる。また「東京五輪」や「がんばれ!ニッポン!」もJOCが商標登録してあるから勝手に使えないそうでこれもしょうがないかなとも思える。

 困るのは「ウェルカム東京」、「やったぞ東京」、「おめでとう東京」、「祝!東京決定」そして「2020東京記念」などの表現のように東京五輪を想起させるのは、商標法や不正競争防止法に違反する可能性があるグレーゾーンなので使用すべきでないという。それを無理に使えばIOCやJOCが権利を侵害されたとして裁判にまで行く懸念があると言う。

 しかし、私は「ちょっと待てよ!」と言いたい。2020年五輪開催地に東京が決定したのにはそれこそ官民挙げての一致協力の成果ではなかったのか?そのためにどれだけの税金等の公的資金が投入され、また公人が多くの時間を割いて奮闘したのではないか?従ってその成果は国民全員が平等に受ける権利があるのではないか?それを一概に商用使用と言うことだけで制限することができるのか?

 例えば、五輪で日本選手が活躍すればそれを喜んだ商店主が自店でセールをしたいこともあるだろう。まして地元出身の選手が優勝でもしたら地元商店街挙げておめでとうセールをしたいこともあるだろう。それを「便乗商法」として一概に制限すべきものなのだろうか?

 JOCは多額の協賛金を出してくれているスポンサー企業の権利を侵害すると言うのだろうが、そうであるなら東京招致にまで至った過程での多額の費用は全てスポンサー企業からの協賛金でもってJOCが負担すべきではないのか?当然そんな負担をJOC側は、はなから考えて居ないだろう。

 散々、国や東京都そして首相や皇族まで協力させておいて、その成果だけは自分だけで享受しようと言うのはあまりに身勝手過ぎではないのか?どうしてこういうことをマスコミは主張しないのか?自分たちも応分の供応に預かろうとの魂胆があるからなのか?

 こういうことがあると、国民的なお祭りと考えていたオリンピックが途端に色あせて見えて来たのは私だけだろうか?五輪を商業に利用することには制限をすると言いながら、結局JOCが一番あざとい商法をしているのではないのか?

 どうも私には、多くの国々を自社のマーケットにしておきながら、それらの国々には本社をおかず全く別な税率が低いか全く無税の場所に置き税金負担をちゃっかり避けるグローバル企業の存在とかぶって見える。つまり散々協力だけをさせとおいて協力者の権利は認めず自分の権利だけ主張する利己的な存在としか見えないのだが。


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