会長 深田一弥の異見!

2013年8月12日

中国人青年との対話

 ある日、ある場所で、日本語の流暢な中国人青年と同席になった。

 目が合ったので、私は「最近、日本とお国の関係はぎくしゃくしているので何とかしないといけないですね」と水を向けると、その青年は「尖閣問題はどうにかなりませんかね」と直球を投げてきた。以下彼とのやりとりである。

私「どちらの国も騒ぎ過ぎ。特に日本人はマスコミに踊らされやすい。4年前の民主党政権も今回の自民党大勝もマスコミの情報操作みたいなものだ」

彼「そんなに日本のマスコミは力があるのですか?」

「昔から日本人はマスコミを信じやすい。かつて中国侵出やアメリカとの戦争も、一部軍人官僚のやり過ぎを、マスコミが煽った。当時の軍部の上層部の本音は戦争をしたくなかったのだから」

「そんなことはじめて聞きました」

「ただ領土問題はどの時点で見るかによって違う。中国が言うように歴史的に尖閣を自分の領土と見ていたことがあったとしても、今は国際的に日本領で通っている。中国が唐突に自分の領土というのはおかしい。それではチンギスハーンが進出したヨーロッパの一部まで自分の領土と言い出しかねない」

「あなたは中国が嫌いですか?」

「中国も中国人も嫌いではないが、現中国政府は好きになれない」

「どうしてですか?」

「日本は何千年も前から中国をお手本にして国を発展させてきた。日本人の道徳観も元来は中国から来た。だから中国に尊敬の念を持っている。しかし、現在の中国はひどい。私は、これは現共産党政権の責任だと思う」

「現在の中国人の行動には私も恥ずかしくなりますね。日本人がキチンとしているのは宗教からですか」

「イヤ違う。岩手県出身の学者で後に国際連盟の初代事務次長になる新渡戸稲造は、アメリカやヨーロッパで、日本人は宗教をそれほど信じていないのになぜ倫理観が高いのか?と問われそれに応え「武士道」という本を英語で出した。今から100年以上も前の話だ。つまり主に江戸時代に培われた倫理観は侍だけでなく町民も農民も同様であった。特に人に迷惑を掛けることは「恥」とした文化である」

「中国人の倫理観を高めるにはやはり教育ですか」

「その教育も、いわゆる知識の学問だけでなく行儀作法や道徳や倫理の教育が必要だと思う」彼は独り言で「やはり文化大革命が中国人を駄目にしたのかな」

「あなたは中国の共産党政権がだめだと言ったがやはり民主主義でないといけないでしょうか?」

「民主主義が必ずしも良いとは言えない。国民の意識レベルが高くないところに民主主義を導入しても利己主義のぶつかり合いで統制が取れなくなってしまう。アラブのジャスミン革命も成功していないでしょう。少し前ユーゴスラビアに共産党のチトーと言う大統領が居た時は民族、宗教そして言語も違う民族が纏まっていたのに、共産党政権が崩壊したとたんに混乱状態になり未だに続いている。だから中国も未だ民主化は早いと思う。現在の共産党政権の中枢に居る人達の多くが私腹を肥やして財産をアメリカに送り子女も置いて自分たちに何かあったら直ぐ中国を逃げ出すように準備している。そんな連中が政権にいる中国国民はかわいそうだ。もし現政権の中にも心ある人達がいるでしょうから、汚い海外財産を凍結して国庫に吸収し、徹底して汚職官僚を摘発し、クリーンな政権にすれば共産主義体制の方が中国は纏まると思う。あまり民主主義に幻想を抱かない方が良いですよ」

「いずれまたお話ししたいですね」


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