会長 深田一弥の異見!

2015年3月11日

もう一歩踏み込め

 13歳の少年が深夜の多摩川べりで惨殺された。犯人は18歳を筆頭にした少年達であったのも衝撃だった。殺された少年は中学生だが今年に入って学校に行っていなかったという。担任の先生は心配して自宅に何度も電話し、かつ訪問までしたと言う。しかし、本人とは会えず、母親からはそのいきさつは聞けなかったようだ。少年は素行不良の少年グループに取り込まれていて学校に行きたくてもいけなかったという。相談できる相手も居なかった少年の気持ちを思うと大変むごいことと心が痛む。

 このような時、先ず言われるのは親の責任だが、少年の家は母子家庭で母親は3人の子どもを育てるために早朝から深夜まで働き、自分のことだけで精一杯で子供たちの面倒まで見られる状況ではなかったようだ。それでも自分の子どもの異常にもう少し注意を払って欲しかったものだが。

 中学校の担任は、数十回も接触しようとしていたので怠慢だったとは言えない。それでも何かが足りなかったと思うがどうか?また日中に中学生や深夜に未成年がゲームセンターやコンビニでたむろし、少年達が深夜に川べりで集まっていても警察は放置していたのか?いや、時々は見回りをしていたと言うだろう。今は警察官の担当区域が広くてとても手が回らないと言う。せいぜいパトカーで回るので精一杯だと言う。

 地域住民はどうだろう。中学生が学校にも行かずにうろうろしていたら昔なら必ず「何してる!」と声を掛ける大人が居たが、今は「なるべく関わらないように」と無関心でいたのではないか?子どもは先ず家庭からといわれ、それは当然だがそのような子どもの家庭の多くは崩壊していて社会がフォローすべきなのだ。そうしないと将来有為の子供たちがさらに少なくなってしまう懸念が大である。

 例えば学校だが、担任一人に任せず、不登校生徒については、学校全体で対処できる体制をつくるべきだ。昔は教員の中に補導員が居て、義務教育の生徒が就学時間にあるいは深夜に街中をうろついていると必ず声を掛けられたものだ。先生達は仕事で精一杯でとてもそんな余裕がないと言うかも知れない。それでは教育者としては不足なのだ。落ちこぼれの生徒を一人も出さないとの決意を学校全体で共通認識を持って当たることと教育委員会は全面的にバックアップすべきなのだ。

 また警察について言うと、かつて警察官は担当区域を足で歩いたものだ。せいぜい自転車だ。そうすると車で見えなかったものが見えてくるはず。それが無理なら地域住民をもっと活用すべき。行政は自分達の領域に、一般人に踏み込まれるのを嫌がるがそんなことを言っている暇はない。地元には定年退職後、気力、体力が有り余っている大人が多数居るはず。そういう人達を組織し2人ひと組1時間交替で24時間地域を巡回し、異常があればパトカーの警官に連絡する仕組みをつくるべき。大事な事は無償でないこと。足代程度は出せば希望者は必ず集まる。

 教員、警察官と言う職業は通常の労働時間だけ仕事をすれば事足れりとしてはいけない。そのため一般の公務員よりも給与水準が高いのだ。それでも24時間働けと言うのは無理なのでそこは上記のように住民の協力をお願いしていけば良い。多くの人が今回の件で心を痛めているので協力してくれるだろう。学校、警察、地域住民お互い連絡を密にして地元からこのような痛ましい犯罪をなくすようにしていくことが絶対に必要なことだと思う。


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