「プレミアムフライデー?」なんだそれは!
プレミアムフライデーが今日(2月24日)から始まったとメデイアが騒ぎ立てている。昨年末、大手広告代理店電通の過酷な時間外労働が問題になったばかりなので、せめて金曜日は早く仕事を切り上げて家に帰ってゆったりとして1週間の疲れを取ることかと思っていた。でもあらためて聞き、読むとどうもそうではなさそうだ。
プレミアムフライデーとは行政つまり経済産業省と民間つまり経団連が連携して新たなワークバランスを提案する国民運動にしたいそうだ。経産大臣があのしまりのない笑顔でアピールし、今日の日経新聞には経団連会長が一文を掲げている。そもそもこの構想の発端は昨年はじめ内閣に設けられた経済財政諮問会議の民間委員が「全国規模のセールで消費拡大を促したい」との提案から始まったらしい。
3年前華々しくぶち上げた「アベノミクス」は第一の矢で日銀の中央銀行の役目を忘れたかと思うほどの大胆な金融緩和でも一向にインフレにならず、第二の矢で投資を促そうにも企業は将来不安で一向に投資が進まない、第三の矢はもうどうなっているのかも分からない。そこで困って経済財政諮問会議に藁にもすがる思いで投げかけたのだろう。
ところで金曜日に早く帰って消費拡大に貢献できそうな人達はと見てみると企業では大企業の社員が殆どだし、官庁のお役人はどんなに仕事が遅滞し国民や住民に迷惑をかけようとも早く帰ってしまうのだろう。日経紙掲載の経団連会長の言は「仕事を早めに終わらせて帰れるとしたら、皆さんは何をしたいですか。どこかおいしい所で食事をしますか。映画に見に行くのもいいかもしれません。週末にかけて旅行にでかけますか。しばらく行けなかったジムで汗を流しますか。ワーキングマザーの方も貴重な時間がとれそうですね。ゆっくりショッピングに行きますか。それとも憧れのエステに行ってみますか。」
これをよく読んで欲しい。彼・彼女らが行くところでは皆人が働いているのだし、そういう人達はプレミアムフライデーの対象にはならないのだろうか?さらに良く見るとそういうところで働く人達は圧倒的に正社員が少ないのだ。如何に上目線の言葉かが分かるだろう。
テレビを見ると、どこか大企業の女性社員達にインタビューしていたが、金曜日に早く帰っても仕事に支障はないのか?と聞いていたが答えは、「我々は早く帰れて給料が変わらないのだから有り難い」であった。インタビューしたアナウンサーは、「そうですよね、今は仕事の多くがアウトソーシングしているので、皆さん早く帰っても誰かがやってくれるんですよね。」と締めくくった。
そのアウトソーシングを受ける企業の人達はプレミアムフライデーが当然ないのだろう。メディアはそういう点に想像力が働かない。プレミアムフライデーは、結局それができるのは大企業社員や役人達だけなのでとても国民運動にはならないだろう。
前から言っているがゴールデンウイーク等の連休を楽しめる人達が居る一方、その間働かなければならない人達が居るのに、それを言わないのは一方的で腹立たしい。圧倒的に数が多い中小零細企業とその従業員は置き去りだ。プレミアムフライデーとは、大企業と官庁と三代か四代目かのお坊ちゃん政治家達の自己満足と思うがどうか。景気対策ならばもっと根本的な対応していくべきなのだ。
メデイアも政権のヨイショばかりだと大衆にそっぽを向かれますよ!もう既に向かれているか。