所長 深田一弥の異見!

2012年5月28日

原発と代替エネルギー

 3.11、東日本大震災による大津波で東京電力福島第一原子力発電所は壊滅的な打撃を受け、そのニュースは瞬く間に世界を駆け巡った。それについて日本政府と東京電力の対応は全く責任感の欠如としか言いようがなく、平和ぼけで危機に弱い日本と言う印象を世界に印象づけてしまった。

 放射能被害についても一貫した対応策がなく、国民にやたら恐怖心のみを与えてしまい、風評被害を世間にまき散らしている現状だ。「原子力発電は安全」と言うのは単なるお題目であったことが国民に知られてしまった。現在、定期点検中も含め国内全ての原発が停止しているが、このままではよほどのことがない限り再稼働は無理であろう。
原子力発電は二酸化炭素を出さないのでクリーンとのキャッチフレーズも、放射能と言うさらに危険な物質をまき散らしてしまうのでは何をか言わんやである。またこの発電所を作るためのエネルギー消費を考えると必ずしも原発はクリーンとも言えないし、使用済み核燃料の処理も大変だ。この保管のための費用も馬鹿にならないうえ、極めて毒性も強い。これを再処理してさらに燃料として使うというプルサーマル計画についてもそのための高速増殖炉「もんじゅ」も故障続きで使いものにならない。せいぜいウランと混ぜてMOX燃料として使う程度であり、これも福島第一の3号炉がそうで、もしこれが破壊したらさらにもっと毒性が強いプルトニュウムをまき散らすことになる。

 ドイツのメルケル首相は「フクシマ」後、早々に脱原発依存を宣言した。環境保護には強い意志で実践をするドイツの面目躍如である。ドイツでは国策で太陽光発電を推進し、従来日本企業が先行していた技術をあっさりと抜き去ってしまった。また、サハラ砂漠で太陽熱による蒸気でタービンを回し発電し、1500㎞を送電線でドイツまで運ぶ壮大な計画を立てていると言う。これに対して世界唯一の被爆国でありながら日本の原発対応は遅い。いつの間にか国内にこれほど多くの原発を作ってしまいさらに計画中も含めると日本国内は原発だらけになってしまう。福島第一はこんな状況に一石を投じた意義は大きい。

私は、原発は何れ廃止すべきと考えるが、即全面停止が無理なら、一定の期限を決め、段階的に廃止していくべきと思う。但し、それまで早急にクリーンな代替エネルギーを国策として開発していく必要がある。その場合は、様々な種類の発電をそのメリット、デメリットによりミックスした対策が必要であろう。
現在考えられるのは太陽熱、風力、地熱等であるが、これだけでは発電量が絶対的に不足なのでさらに第三のエネルギーの開発が待たれる。幸い、それを国産で出来る技術が開発途上にある。化石燃料としては、海底2000m下にあるメタンハイドレード。バイオエネルギーも今はトウモロコシを使うので食料価格の高騰を招くが、「石油を作る海藻」のオーランチオキトリュウムならその心配もなく日本は四方が海なので栽培も容易だ。これは既に筑波大と東北大が連携し仙台市の蒲生汚水処理場で実験が始まっている。また東北大未来研の小濱教授が提案しているマグネシウム発電も実用可能性が大である。マグネシウム還元にオーストラリアでの太陽熱が必要と言うのがややネックだが。

 但し、原子力と石油はアメリカの国家戦略であるので、我が国がそれに対抗するエネルギー開発をするとかなりな圧力を受ける懸念も消えないが。


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