所長 深田一弥の異見!

2022年2月14日

ロシアのウクライナ侵攻懸念

 ロシア領のウクライナ東方国境付近に10万人規模のロシア正規軍が数ヶ月前から集合して連日演習をしている。また、最近はベラルーシ領のウクライナ北方国境付近でベラルーシ軍とロシア軍が共同演習をしていると言う。さらに、ウクライナの南側、黒海ではクリミヤ半島のセベストポリ軍港から出航したロシア艦隊が海上演習しているらしい。つまり、現在、ウクライナは西側国境を除いて3方向からロシア及びロシア友好国の軍隊に囲まれていていつ攻め込められるかと言う危険な状態になっている。

 この状況から米国のバイデン大統領は、事が起きればロシアに対して厳しい制裁を行うとまで明言した。また西側諸国の連合であるNATO軍も臨戦態勢を固めているとの情報もあり、大変きな臭い状況になっている。何故こうなったのか?ロシアはソ連崩壊後かつての連邦内だった東欧諸国が独立して次々と西側陣営に入っていくのを腹立たしく思っていた。ウクライナも一時期、親欧米の政権だったが、ロシアの介入で親ロシアの政権となり現在はまた親欧米政権に戻っている。

 2014年、ウクライナ領のクリミヤ半島にロシア軍が侵攻してロシア領に組み込んでしまったこともあり、国民には反ロシアの感情が強い。そのため現政権がNATOに加盟するのではとプーチンは危惧している。北京冬季オリンピック開催中にロシアがウクライナ侵攻するのではとの見方もあった。それには、ソチ冬季オリンピック開催中にロシアがクリミヤ半島に侵攻した過去かあるからで、オリンピック開催中にそんなことがあってはたまらないと思った中国の習近平は慌ててプーチンに侵攻しないことを申し入れたとの情報もある。一時期は、オリンピック開催中にロシアのウクライナ侵攻と、中国の台湾侵攻があるのではとの情報を流すメディアまであった。

 米国では、在ウクライナの米国人に対して退避勧告をし、我が国でも在ウクライナの日本人に対して、早々の出国を勧告したようだ。NATOの主要国である英独仏のトップは次々とプーチンと会談して、侵攻しないよう求めているが、プーチンは、我々がNATOに脅されているとの主張のようだ。もしウクライナがNATOに加盟すれば、NATOの中距離ミサイルは容易にモスクワに届いてしまう。それは何としても避けたいと言うのである。我々のように、どちらかと言えば西側に近い見方をすれば、NATO軍がロシアに攻め入るなどとは夢にも思わないが、ジワジワとNATO加盟国がロシアに近づいてくるのを見るとプーチンは心穏やかではいられないのだろう。

 さて、ロシアは本当にウクライナに侵攻するのか?ロシア軍はソ連時代から大変用心深く、絶対に勝つ見通しがないと動かない。大戦中、度々米国からの参戦依頼にも拘わらずスターリンは動かず、日本の降伏が明確になったところで宣戦布告した。唯一例外はアフガン侵攻だが、非近代的な反政府軍なら容易に勝てると思ったのだろう。

 そうなるとウクライナ侵攻を匂わせてロシアは何らかのメリットを得ようとしているのではないかと私は勘ぐってしまう。欧州諸国のエネルギーはロシアからの天然ガスにかなり頼っている。またロシアは世界第3位の産油国で輸出もしている。今、天然ガスも原油価格もすごい値上がりを見せているが、危機を煽れば煽るほど価格上昇が続き、産出国つまりロシアのメリットは大きい。プーチンはかなりの策士であることを忘れてならない。