所長 深田一弥の異見!

2020年9月1日

リニア新幹線は必要なのか?

 華々しく始まったリニア中央新幹線の工事だが、静岡工区の工事がストップしているという。路線が日本アルプスを縦断するトンネル掘削に、自然破壊を懸念する静岡県が反対しているからだという。もしこのトンネルを通すと、大井川の水量が激減するとのことだ。リニア中央新幹線は安倍政権の政策の目玉の一つとも言われているが、事業主体のJR東海でも完成しての収益性にはかなり疑問を持っているようだ。

 もともと東海道新幹線があるのに何故リニア新線を作ろうとするのかと言うと、東海道新幹線は完成してから50年以上経ち、輸送量も限界に達していて老朽化もあり、今後かなりのメンテナンスが必要であるが、その際はかなりの日数運行を止めなければならなくなることと、最近盛んに言われている東南海地震があればかなり甚大な被害が出ることからのようだ。そうなると東京と大阪間の日本の大動脈が不通となり、日本経済にも甚大な影響が出てくる。

 しかし、東海道新幹線がかなり被害を受ける大地震であれば、中央新幹線とて被害から免れると言うこともないであろう。中央新幹線を完成させるまでには予定では15兆円とも言われる巨大な資金だが、実際にはいま言われているよりもさらに何倍もの資金が必要となりそうだ。既に国から数兆円が拠出されている。巨大な資金に群がるゼネコンによる談合疑惑も騒がれたばかりだ。

 また、中央新幹線に使う「超伝導リニア」は日本が誇る技術ではあるものの、浮上走行するにはとてつもない電力消費で、運行が始まると一説では原子力発電所が2基は必要とも言われている。さらに、リニアは強力な電磁波を発生させることから人体への影響の懸念も消えていない。

 今、日本の新幹線の最高速度は時速300㎞程度だが、リニアは時速500㎞にも達して東京大阪間を1時間ちょっとで結ぶという。今の時代、そんなに急ぐ必要はあるのだろうか?かつては車輪による鉄道の実用速度限界は300㎞と言われていたが、今は、400㎞以上でも十分可能だと言われている。フランスと中国の新幹線の実験では時速500㎞にも達したという。

 また原発への批判も大きく、新たな設置は難しくなっているのにそんな電力を食う設備が必要であろうか?さらに自然破壊が大きいルートも問題である。リニアはトンネルばかりで車窓の景色を楽しむというような風情は無理だとも言われる。中央新線がどうしても必要ならば近い将来の東南海地震の影響の少ない路線を選ぶべきだし、かなり迂回したとしても自然破壊が比較的少なくて済むようにすべきであろう。

 もし地震の懸念払拭を先行するのであれば、北陸新幹線の金沢から大阪までの完成を早めるべきであろう。リニア中央新幹線は一時工事をストップして、リニアであるべきか、車輪走行に変えられないか、さらに路線を変えられないかもう一度仕切り直しをすべきではないだろうか?

 また、もしリニア程度の速度が必要なのであれば新技術として、私の実弟の高校・大学同期で友人でもある東北大小濱康昭教授が提唱している「エアロトレイン」もある。エアロトレインは、建設コストは新幹線程度、運行コストはリニアよりも3分の1で済むという。

 マスメデイアは安倍政権の不利になることは口をつぐむという習性があるがその安倍も退陣表明した。今はコロナで話題は沸騰しているが、その影で巨大な不都合が進んでいることにメデイアは敏感になるべきであろう。