所長 深田一弥の異見!

2021年4月1日

「国際連合」への疑問

 我が国のメディアや知識人の話を聞くと、国際連合に対する期待が意外と大きい。何となく、国際連合と言う語の響きが国際的に唯一の公平な機関であるとの幻想を抱かせてしまうのだろう。しかし、この国際連合は調べてみるといくつもの疑問点があり、決して公平な国際機関とは言えない。

 国際連合(United Nations)は、第二次大戦を防げなかった国際連盟(League of Nations)の反省を踏まえて、1945年10月に発足した。この構想は大戦中の1941年、米国のルーズベルト大統領と英国のチャーチル首相が会談して大戦後に国際連盟に代わる国際平和機構を創設するとの構想を示した大西洋憲章が提唱された。その後同じく連合国であるソ連と中華民国が加わり、1943年に4大国で世界の警察官の役割を果たすことが合意された。1945年未だ戦争が続いている中で、日独伊等の枢軸国に宣戦している連合国50カ国の代表がサンフランシスコに集まり国際連合憲章の審議を行った。ここで加盟国による総会と大国中心の安全保障理事会の二つを主体とする普遍的国際機構の設立が確定された。

 これで分かるように国際連合とは国際連盟と異なり、英語表記でもそうだが、敵の枢軸国に対する連合国の集合体なのだ。安全保障理事会は前記の4大国に仏を加えた5大国が拒否権を持つ常任理事国となった。現在旧枢軸国の日独伊も加盟が許され、現在加盟国は世界の殆どの地域を網羅している。国際連合の目的は憲章の第1条に「国際平和・安全の維持」、「諸国間の友好関係の発展」、「経済的・社会的・文化的・人道的な国際問題の解決のため、および人権・基本的自由の助長のための国際協力」とある。

 さて、国連に対する疑問の一つ目は、常任理事国がこれで良いのかということだ。政敵を抹殺し、圧政を敷いたスターリンのソ連が当初から常任理事国なのも笑うが、そのソ連が解体されいくつかの国に分かれても、何故ロシアがソ連に代わって常任理事国なのか?また、中華民国は内戦で共産軍に追われ台湾でのみ存続しているが、中国本土を支配しているが連合国でもない共産中国がそれに代わって常任理事国なのもおかしい。

 しかも、この中ロの常任理事国の現在は、国連憲章第1条に全く反している行動を取っている。ロシアはウクライナへの侵略と反体制派への抑圧を続けているし、中国は覇権主義で南沙諸島への侵略、チベット、ウイグル、内モンゴル住民への人権抑圧がある。この2国について何故、世界のメディアは常任理事国の資格に疑問を呈することをしないのだろう?この2カ国が拒否権を持つために、国連の活動がかなり制限されていると思われる。

 疑問の2つめは、国連憲章には敵国条項というのがあり、該当するのは、日独伊とブルガリア、ハンガリー、ルーマニア、フィンランドだそうだ。特に日独伊は、現在、国連への貢献や負担金は半端ないのに未だに国連では敵国なのだ。我が国でも国連職員になると言うのはエリートと言われているし、名前を挙げるのは敢えて控えるが、国際的に活躍した日本人の国連職員は多い。しかし、彼らがこの敵国条項を抹消させようと活動したとは聞いていないがどうか。

 現在、世界の紛争や北朝鮮への対応など色々な矛盾が出てきている国際連合だが、一旦解体すべきで、新たなLeague of  nationsである国際連盟を創設しようとの声を上げるべきではないのか?それを言うのは、かつて枢軸国と言われた日独伊が主導すべきだと思う。