会長 深田一弥の異見!

2026年3月2日

政治における言葉の怖さ

 去る2月8日に投票か行われた第51回衆議院議員選挙は自民党の大勝に終わった。選挙前から自民党の勝利はほぼ確定していたものの、これほどの圧勝になるとは、メデイアもいわゆる政治評論家と言われる専門家でも予測することはできなかった。選挙直前に立憲民主党と公明党が合併して中道改革連合と言う政治団体をつくり、メデイアを賑わしたものの、全くの不発に終わったことも予測不能だったと言えよう。

 自民党の圧勝の要因と中道改革連合の敗北については選挙直後から色々な分析が出ていたが、とにかく意図していたか否かは別として高市早苗の戦術勝ちと言うほかないであろう。前月にこの欄で述べたが、彼女はあの台湾有事発言で解散総選挙をせざるを得ない事態に追い込まれていたのは事実だと思う。

 選挙前から確かに彼女への支持率は高かったものの、自民党への支持率は未だに政治資金不透明感から抜け出してなく、低調のままだった。しかし彼女は、チームみらい以外の各野党が消費税減税や廃止をトップススローガンにしていたことに対して、2年間の食料品ゼロ税率と給付付き税額控除で対抗して、争点を薄めてしまった。つまり、消費税については野党と同等となったことで、野党との差別感を殆ど無くしてしまった。

 さらに彼女は「この国の首相として私高市早苗を取るか、あるいは例えば野田首相にしたいのか」と二者択一を迫った。これはかつて郵政解散選挙で小泉純一郎がとった「郵政改革を取るかそうで無いのか」といわゆるワンイシューで迫り、結果圧勝したことを思い出す。野田首相でなく高市首相にしたければ、当然自民党に投票すると言うことになってしまう。

 昨年の参議院議員選挙で参政党が「日本人ファースト」で得票を伸ばしたのも同じように「ワンイシュー」が如何に選挙の際には、くどくどと公約を述べるよりも有効であるかを立証したことになる。選挙直前に野合と言われたが中道改革連合は、さかんに我が国では中道が如何に平和で必要かと叫んでいても、その中道という言葉が抽象的で選挙民の胸に響くものではなかった。選挙直前に話題になった政党は票を伸ばすというジンクスが今回は全く当てはまらなかったし、結果論としては、立憲民主党は公明党にしてやられた感が強く残っただけだった。

 国会の3分の2を占めてしまった高市自民党はある意味何でも出来ることになってしまうが、これから我が国の社会は大きく変わっていくのかも知れない。それがどう変わるのかは予測が難しいが、何とか国民生活にとってプラスが大きいものになって欲しいというのが多くの国民の願いであろう。

 ところで、今回の選挙を我が国の周辺諸国はどう見ているであろうか。台湾有事発言で一気に我が国への圧力を強めた中国は、今、内政と経済が混沌としているようであまりかつての強気はなりを潜めている。ただ、言えることは、日本国民とは、言葉一つで政治が大きく変わってしまうことに危惧の念を持っているのではないだろうか。小泉の郵政選挙、首相に高市を選ぶかそうでないか、参政党の日本人ファーストのようにワンイシューが選挙で有効であることが分かった。

 これが今は米ロの軍事侵攻が誰も止められない力の時代であり、また周辺国からの圧もあることから、軍事で強い国となることが必須であるとして、ある時選挙で「軍事大国日本」と叫んで大勝する政党が出てくることにならないかと今月で83歳になった年寄りの私は懸念している。


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