会長 深田一弥の異見!

2012年9月19日

尖閣諸島

 東シナ海に浮かぶ尖閣諸島について、日中の攻防が激しい。これも竹島同様、我国の領土に間違いないのだが、海底に豊富な資源が埋蔵されていると知った途端、中国は我国の領土と主張するようになった。これは共産中国の常套手段で、このようにして新疆ウイグル、内モンゴル、そしてチベットと次々に自国の確信的権益にしてしまった。正に共産中国は領土拡張を図る帝国主義と言って過言でない。現在、それらの自治区と言われる地域に住むウイグル、蒙古そしてチベットの各民族がどれほどの圧制下にあるのか、我国のマスコミは正確に伝えていない。これも我国大手メディアの大罪である。

 今、中国では、尖閣諸島を日本が国有化することでの反発が極めて強いようだ。連日のデモと言うよりもこれはもう暴動としか言いようのない激しさである。しかし、日本のマスコミは冷静な対応というつもりなのか当らずさわらずの対応しかしていないのは腹立たしい。私は、9月中旬ドイツを訪問したが、滞在中、フランクフルトのホテルでは、NHKの放送があり、その一つ前のチャンネルでは中国国営テレビが放送されていた。これが多くの時間を割いて「尖閣問題」を取上げていた。言葉は分からないが、テレビ画面のテロップが漢字なので大体の意味は分かる。その内容は、女優かなと思うほどの美人キャスターが御用学者らしき人物と対談している。

 その学者の言いぐさは「もともと沖縄の琉球王朝は中国の属国であった。尖閣諸島は琉球王朝の領土であった。日本が沖縄を植民地にして以来日本は尖閣諸島を日本領と主張している。このように中国の属国の領土なのだから、歴史的に当然に尖閣諸島は中国のモノだ。」である。つまり彼の主張だと沖縄も中国領土だと言うのか?その美人キャスターは「わが意を得たり」とばかりに頷き、画面に向かって眉を顰め日本の不当性を述べている。そこで我がNHKはどんな反論をするのかとチャンネルを回しても、のど自慢やお笑いタレントのドラマ、そして年金はどれくらい貰えるのか等言う番組ばかりで、たまのニュースも中国の暴動を他人事のように伝えるだけである。

 これを見て私は、中国のPR戦略で、我国は完全に敗北したなと思わざるを得なかった。ドイツでどれだけの人が中国語放送を視るかは分からないが、これだけ延々と自国の正当性と日本の不当性を流し続け、我国がそれに全く反応しないのではそれを視た人は「中国に理あり」と思ってしまうとの危機感をひしひしと感じると共に、我国の国営放送そして民間マスコミの危機感の無さにあきれてしまった。

 思い起こそう。70数年前、中国在住の日本人への暴力被害が増してきても時の我国政権は穏便な解決をしようとした。しかし中国の優柔不断かつ誠意のない対応に苛ついた軍部が実力行動に出た。ところが、時の政権を担っていた蒋介石の夫人宋美齢がその端麗な容姿で日本の暴虐さを訴え続けて全米を巡り、米国民を虜にし、アメリカから抗日のための支援を取り付けた。彼らの常套手段は、嘘でも自分の都合の良い理由のみを掲げ、それを百万遍言い続けている内、自分でも真実と確信してしまうことだ。これが「南京虐殺」についても同様な手段で、世界の常識として定着させてしまった。これも日本側のいわゆる「大人の対応」がそうさせてしまったことは間違いない。我国は強い対抗手段を取らないと自国領土は益々削り取られてしまうことになりかねない。


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