会長 深田一弥の異見!

2023年3月1日

不思議な現象と科学

 今月1日で80歳、つまり傘寿となる。元気で仕事も車の運転もしているが、同年代の知人が亡くなり始めており、そろそろ死を考える時期なのかも知れない。

 そんな時、書店で「死は存在しない」と表題の本を見つけた。著者は原子力工学博士の田中広志氏である。よく死後の世界はあるのかと言われるが、氏は人間の意識は死とともに無くなるのではなく、この広い宇宙に無限に存在し続けるとの最先端量子科学から示す仮説を立てている。そこはゼロポイントフィールドと言って宇宙のあらゆる意識が過去、現在、未来と記録されているそうだ。何かの拍子にその世界と繋がることがあると言う。

 例えば、直前に見たところが丁度試験問題に出てきたとか、イヤな予感がしていつも乗る電車を逃したところその電車が事故に遭ったなど偶然の不思議というのがそれだと言う。天才や直感力の鋭い人、霊能者と言われるような人は、その世界に繋がる能力が高いということのようだ。

 私の所属するある団体の会員にそういう能力の持ち主が居た。彼は子供の頃からこれから起こることを言い当てていたらしい。その多くが良くない事で例えば子供同士で遊んでいると「○○ちゃんが滑り台から落ちて怪我する」と言うと間もなく実際に起こってしまうことがしばしばで大人達からは「お前が余計な事を言うからだ」と叱られたそうだ。それが子供の頃からのコンプレックスだったが、高校生の時、実母の死期を思わず口走り、実際にその日に母は亡くなった。彼は自分の能力を呪ったと言う。

 心霊現象の研究で東大を追われた福来友吉博士が戦後仙台に住んでおり、悩んでいた彼は紹介されて会った博士から「君は素晴らしい能力を持っているからそれを人の為に使いなさい」と言われて救われたそうだ。彼はその能力を活かすべく墓石業を始めた。

 ある日どこで知ったか関西のある有名メーカー創業者から直接電話があり、幾多の有名病院で原因不明と言われたそこの役員の夫人の症状を見て欲しいと言われた。彼はその役員家の墓が原因として了解を得て改葬したところ忽ち彼女は快癒した。ある時、当事務所クライアントの高齢女性から小学高学年の孫娘が婦人科の病で手術が必要と言われたが、本人は「子供が産めなくなる」と泣いて拒んでいるとの相談を受けた。

 私は未だ半信半疑ながらも彼を紹介したところ、彼はその家の先祖の墓を見て、改葬を提案した。件の女性は「孫のためなら」と高額な見積りにも関わらず即座に依頼した。その結果、孫娘は手術を回避したが間もなく快癒した。その後成人して結婚し子供を二人も出産したと聞く。

 また、当時女性の長男は晩婚でなかなか子宝に恵まれなかったが、間もなく妻が妊娠して元気な跡取り息子が生まれた。その女性からは大いに感謝された。他のクライアントや知人からの相談についても彼を紹介し解決したことがいくつかある。

 彼からは墓を大事にしていれば家庭内で悪いことが起きないと言われていたので両親の墓には毎月参っている。科学で説明できないことは存在しないと言うのが現代科学の立場だが、そういう不思議を多くの人が経験しているのは事実でもある。

 こういうことは今までは宗教の範囲であったろう。前述の本の著者田坂氏は、科学と宗教は将来一つになると予測している。こんな話を聞けば死を恐れている人でも少しは気持が楽になるだろう。メデイアもたまにはこういうことを真正面から取り上げて欲しい。


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