会長 深田一弥の異見!

2015年5月11日

ゴールデンウィークを再考せよ!

 ゴールデンウイーク真っ盛りの4日、私の職業は5月が繁忙期なので職場に出ていた。ガランとしたビルのエレベータに宅急便の若者が乗ってきた。「連休なのにご苦労さん」と言うと。その若者は「仕事ですから」と。私が「でも、テレビや新聞の報道では日本の全国民が休んでいるように言っているよ。しかし、休みの日に働いているあなたのような人が居るからゴールデンウイークでも国が回っているのに、そういう報道はされていないね」と水を向けると。我が意を得たとばかりに「本当にそうですね」と返ってきた。

 確かに、日本中の大半の人達はゴールデンウイークを満喫しているのだから、そういうマスコミ報道になるのは仕方がないと言う考えが大勢を占めているのだろう。しかし、休みを取っている人達が、交通機関を利用したり、行楽地で遊んだり、また飲食したり、買い物したり出来るのはその間にそれぞれの職場で働いている多くの人達がいるからこそ出来ることなのだ。マスコミはそう言う人達やその家族への配慮がもう少しあっても良いのではないか?特にそういう人達の子供たちはお友達や同級生達が連休の家庭行事を楽しみにしているのをどれほど羨ましく見ているのだろうと思うと、マスコミの無神経さに腹が立つのは私だけであろうか?そろそろ国民総ゴールデンウイークと言う考えは止めるべきだろう。

 どうも我が国は何事もお役所を基準にして考える傾向が強い。確かにお役所は何が何でも暦通りに休めるが、民間では必ずしもそうでないことをお役人達も意識を持つべきだ。また報道しているマスコミに関わる人達とて自分たちは休んでいないのであろうから。そういうマスコミからゴールデンウイークへの反省が出ても良さそうに思うが、行政べったりの大手マスコミには今のところそれを望むのは無理なのかも知れない。行政が力を入れるべきなのは無理な連休作りは止めて民間企業に勤める人達に有給休暇を確実に取らせるようにするべきだが、何せ連休で一番メリットを受けているのはお役人達なのでそれも難しいのかも知れない。

 何も無理矢理ゴールデンウイークに家庭サービスをしようとしないで、子供たちは春休み、夏休み、冬休みがあるのだからその時に合わせて大人も有給休暇を取ればよい。「それでは5月の絶好の行楽日和の時に子供たちを連れて行けないではないか」という快楽至上主義の人達は、子どもに学校の休みを取らせれば良い。どうせそういうたぐいの人達は子どもの成績よりも家庭サービスの方をとるであろうから2、3日学校を休んで自分の子どもの教育の遅れなどそれほど気にならないであろう。

 兎に角これだけ社会が多様化しているのに一様に国民の大半が休むと言う異様なことはもうそろそろ終わりにして欲しい。行楽地もゴールデンウイークとそうでない時の落差もなくなり、繁閑が平均しての営業でストレスも少なくなるであろう。行政も日曜と祭日がぶつかると月曜を休みにするとか、連休にするために新たに祭日を設けるような自分たちが働かない日を増産するのは廃止をしていくべきだ。

 ところで祭日とは国の記念日であり、どこかに行楽に行くためにあるのではないのだ。祭日は希少価値があってこそ、国民が本当に喜べる日となるのではないだろうか。


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