会長 深田一弥の異見!

2017年5月9日

アメリカは北朝鮮を攻撃しない

アメリカの大統領トランプが就任後に行った最大の案件は、北朝鮮への対応である。北朝鮮は金正恩が就任後の行為は残虐で、先ず叔父張成沢次ぎにそれに連なる実兄の金正男も殺害した。また、ミサイル発射実験を度々行い、核実験にまで手を伸ばし、国連加盟国なのにやりたい放題だ。

アメリカは常々北朝鮮のミサイルがアメリカ本土まで到達する能力を持つことを危惧し、このミサイルが核搭載可能となった場合はアメリカにとってかなりの脅威となることを懸念していた。

今までのアメリカの北朝鮮への対応は、相手を慰撫しながら、核実験やミサイル開発をとどまらせようとしていた。ところが若き首領の金正恩はそんなことはお構いなしだ。

新大統領のトランプは対外強硬派で先ず中国の習近平に対して、北朝鮮に厳しい対応をとることを要請した。オバマ時代に来訪した際の習近平は正に経済大国中国を誇るように旅客機をはじめとして大量のアメリカ製品を購入することで意気揚々と乗り込んできた。今回は、自らの経済苦境もあって心なしか元気がないようで、トランプに一方的に押されていた。特に北朝鮮へのプレッシャーを要請と言うよりも強く要求されたと見るべきだ。

しかし、金正恩は中国の言うことも無視し、ミサイル実験を続けていた。このままでは核実験も再開するのではと危惧したトランプは、南太平洋にいた原子力空母カールビンソンを急遽北上させた。

ここで世界のメディアは、いよいよトランプは北朝鮮を攻撃するのではとの報道を始めた。それに遡ること1ヶ月前には化学兵器で一般市民に被害を与えたシリア政府軍の基地を巡航ミサイルで破壊し実行力を誇示した。これで益々、アメリカ軍基地を多数存在している我が国に北朝鮮のミサイルが飛来するのではと騒然となった。

国内メディアはアメリカ軍が攻撃した場合はどうなるかなどを予測した番組を次々と報道してきた。

私は何人かの人から、アメリカの対北朝鮮はどうなるのか、実際に攻撃するのだろうかと尋ねられた。私は、もしトランプが正常な判断をできる男ならば、或いはアメリカの中枢部に居る者が利口であるなら、アメリカは絶対に本格的な攻撃、特に北朝鮮が崩壊するようなことはしないと明言した。

何故ならば、北朝鮮が崩壊した場合一番得するのはどこかを考えてみれば分かる。アメリカは、せいぜい核搭載の大陸間弾道弾か飛んでくる可能性がなくなる程度で、ロシアや中国のミサイル脅威は変わらない。では中国はというと、今、中国がもしアメリカと対峙すれば、アメリカは中国にとって輸出の一番大事なお客様で対米輸出が激減したら中国経済は破綻し、計り知れない損失となるので動けない。そうすると北朝鮮崩壊で一番得するのはロシアである。

もともと北朝鮮はソ連の意向で作られた国だ。確かに朝鮮戦争時には共産中国軍が入ってきたが、それはソ連軍が入れば第三次世界大戦となる懸念があり、共産中国軍がソ連軍の代理で戦った。ソ連は歴史的に軍事空白地帯に進出するという火事場泥棒的根性を持っており、大戦後我が北方領土を占拠した。

ロシアとなってもその性癖は変わらず、ウクライナやコソボ進出など枚挙にいとわない。

既に朝ロ国境に大量の戦車が終結したと言う情報もある。だからアメリカは北朝鮮を脅しはしても崩壊させればロシアを利することになるので絶対しないと断言できる。日本のメデイアはもう少し勉強して欲しいものだ。


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