所長 深田一弥の異見!

2022年3月2日

耄碌し頑迷な独裁者

 世界の国々のトップや多くのロシアウォッチャー達もプーチンがあれほどのことをしでかすとまでの思いには至らなかったのではないか?アメリカ政府筋は、ロシア軍がウクライナ国内に侵入すると警告はしていた。北京オリンピック終了後パラリンピック開催前でもロシア軍の侵攻があるとメデイアは騒いでいた。私は、またメデイアの大騒ぎが始まったと思っていた。

 プーチンは先ずロシア住民の多い二つの州を独立国家として承認し、後は軍事圧力を掛けて現政権の失脚を待とうとした。しかし、現ゼレンスキー大統領は、全く弱腰を見せず、ウクライナは我々で守ると強気に出た。欧州の主要国のトップは次々とプーチンと面談したものの、プーチンは、約束を違えてNATOは次々と加盟国を東に伸ばしてきていると腹立たしげに述べ、ウクライナはロシアの原点でもあり、それがNATOに加盟するのは絶対に認めないと断言した。

 ロシア軍はウクライナの三方を囲み圧力を掛け、ウクライナに武装解除を求め、軍事施設を次々に攻略した。またそのためにはロシア兵にウクライナ兵を擬装して密かな侵入もしていたが、ウクライナ軍は、それを見破り、彼らの多くは直ちに射殺されたようだ。兵士が他国の兵を装って侵入するのは明らかなテロ行為であり、こういうことを平気で行うプーチンは、KGB上がりの本性を現した。またウクライナ軍は国内に居たロシアの情報工作員を次々に拘束し、情報網を遮断したようだ。

 プーチンのウクライナへの圧力にも関わらず、西側の対応は厳しいものではなく、米国のバイデンなどは、「ウクライナには米軍は派兵しない」などと言わなくても良いことを述べたこともプーチンにウクライナ侵略を決断させたと言える。ところがいざ侵攻してみたところウクライナ軍の抵抗は激しく、訓練だと思っていたロシア軍を次々撃破してしまったようだ。かつてのクリミヤ半島を強奪した時とは全く勝手が違ってしまった。ゼレンスキー大統領は自らの命の危険を顧みず首都キエフにとどまり、全国民を鼓舞し続けていることも、ウクライナ軍のモチベーションを上げている。

 また国外に居たウクライナ人男性は次々と祖国を守るため帰国するとNETで宣言している。弱腰だった欧州諸国も自分の国にいつか火の粉が飛んでくることを危惧したのか、次々とウクライナへの軍事支援を打ち出した。軍をださないと明言した米国も資金援助は惜しまないようだ。また、ロシアへの経済封鎖も次々と打ち出した。経済封鎖は前にも述べたが開戦準備段階とも言える。今、プーチンは正に四面楚歌状態である。

 それではロシア国内ではウクライナ侵略に国民は好意を迎えているのかと思えばどうもそうでは無いらしい。各都市で戦争反対のデモが起きているようだ。もともとプーチンのあまりに抑圧的な政治姿勢に反感を持っている国民はロシア国内でも相当数居るようだ。しかしプーチンは反対意見を許さず政敵を次々と血祭りに上げ、反プーチンのメディアを潰してきた。多くのジャーナリストも命を落としている。

 今プーチンはロシア国内では裸の王様と言える。誰が彼のクビに鈴を付けることが出来るのかが、ウクライナ危機の収束だろう。焦ったプーチンは核使用も辞さない構えだ。直接プーチンと会ったフランスのマクロンは「彼は人が変わったようだ」と。世界や日本の歴史を見れば、耄碌し頑迷になった独裁者ほど始末に負えないものはない。