所長 深田一弥の異見!

2021年2月8日

森喜朗会長失言の波紋

 東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の森喜朗会長が余計なことを記者達の前でしゃべってしまった。

 今回のオリンピック「東京2020」には、3つの基本コンセプトがある。1つ目は「全員が自己ベスト」として、万全の準備と運営によって、安全・安心で、すべてのアスリートが最高のパフォーマンスを発揮し、自己ベストを記録できる大会を実現。世界最高水準のテクノロジーを競技会場の整備や大会運営に活用。ボランティアを含むすべての日本人が、世界中の人々を最高の「おもてなし」で歓迎。

 2つ目は「多様性と調和」として、人種、肌の色、性別、性的指向、言語、宗教、政治、障がいの有無など、あらゆる面での違いを肯定し、自然に受け入れ、互いに認め合うことで社会は進歩。東京2020大会を、世界中の人々が多様性と調和の重要性を改めて認識し、共生社会をはぐくむ契機となるような大会とする。

 3つ目は、「未来への継承」で、東京1964大会は、日本を大きく変え、世界を強く意識する契機になるとともに、高度成長の弾みとなった大会。東京2020大会は、成熟国家となった日本が、今度は世界にポジティブな変革を促し、それらをレガシーとして未来へ継承していく。

 1つ目のコンセプトについて、コロナ禍が未だ未だ終息しない中、原発処理も未完であり、安全・安心に則っとり、7月開催が可能か、疑問である。菅首相、小池東京都知事そして森会長は絶対開催論者だが、果たしてどうか?

 2つ目のコンセプトについては、正に先日の森会長の失言で、ぶち壊してしまった。全世界に、森会長は女性差別主義者との印象を与えてしまい、そういうトップが居る委員会が開催する東京オリンピックはどうなのか?そもそも日本と言う国自体が問われているのだ。彼の発言は、たまたま日本ラグビー協会の理事会での女性理事による発言内容が彼の気にいらなかったのかも知れないし、いつもはシャンシャンで短時間に終わる会議が長引いて老齢化した森会長には堪えられなかったのだろう。そういう私人の感慨を、記者会見で披露するほど彼の老齢化が激しく、公の場に出すべきではないのでは?

 3つ目のコンセプトについても、そういう日本が世界にポジティブな変革を促すと言っても、信用してもらえるのか?今回のオリンピック東京開催は、当時の石原東京都知事が自らの数々の失政を糊塗しようとぶち上げた構想であり、大体にして動機が不純なのだ。一度はブラジルのリオデジャネイロに敗れたものの、あまりに金が掛かることから多くの都市が及び腰になったことで、次の開催が転げ込んできた。

 ところが東日本大震災が発生し、日本特に東北の被害が大きく、原発の事故もあり、大変になったので、できれば返上すべきだったのではと思う。しかし、「復興オリンピック」という訳の分からないキャッチフレーズで、東京に「ヒト、モノ、カネ」が行ってしまい東北の復興が遅れてしまうことになった。

 その後の猪瀬知事の失脚、会場設計者の交代、エンブレムの盗作騒動など次々不祥事が起こり、またコロナウイルス蔓延、極めつけが森会長の基本コンセプトに違反する発言が出てきた。ボランティア予定者の中からも協力しないと言う声も出ていると聞いている。当初から様々なケチがついてきた東京2020オリンピック、それでも開催するのでしょうか?