所長 深田一弥の異見!

2019年12月26日

文在寅と金正恩の思惑の違い

 韓国の大統領が失脚した朴槿恵から文在寅に代わって少しは日韓関係が良くなるかと思ったが、全く当てが外れて日韓は益々後戻りできない様相を呈してきた。文在寅は大統領に就任早々、険悪となっていた米朝関係の仲介役を演じて、トランプ大統領と金正恩の会談を成功させたかのように演じた。さらにその後、北緯38度線を金正恩と手を携えて行ったり来たりしてみせた。これで長らく分断国家となっていた南北朝鮮間の雪解けかと期待させたものだった。

 しかし、その後の金正恩は文在寅を全く無視するかのように、ミサイル実験を続けたり、制裁を続ける国際関係を無視するように、自分の相手は米国のトランプだけと言い放っている。一方の文在寅は、日本と敵対することが自国でも自らの地位安定だと確信しているのか、我が国に対して厳しい態度をとり続けている。元々、1966年の日韓基本条約で、韓国への個人補償として既に3億ドルを支払っているにも関わらず、韓国国内では個人には支払わずに他の2億ドルと合わせて経済発展資金に回してしまい、それで韓国は経済発展を遂げることができた。それにも関わらず慰安婦や徴用工だった人達に日本政府は補償しろとまで言ってきている。

 我が国では、文在寅政権があまりに国際制裁を受けている北朝鮮に甘く、半導体製造に必要なフッ素製品が北に流されているのではとの疑惑から最恵国待遇を外したところ、文在寅政権は益々反日色を強めて来ている。最近では中国の習近平にすり寄っている感がおおきい。北朝鮮と仲良くしたければ自ずと米国との関係よりも中国を重視せざるを得ないのだろう。恐らく日本とのGSOMIA破棄を口にしたことで米国からはこっぴどく怒られたのではないか?さらに韓国国内の経済状況は最悪になっているとも言う。反日だけで国民からの支持をつなぎ止めて置くのは無理だと考えたからか、最近は、少しは対日関係をよくしないといけないと考えているようだ。

 それでは元々文在寅は韓国をどのようにしたいと考えているのだろうか?ある意味彼は政治家と言うよりも理想主義者なのではないか?長らく民族の分断状態から何とか統一国家にしたいという強い願望を持っているのではないだろうか?だからあれほど北朝鮮の金正恩と会談をしたり、仲の良さを世界に見せつけることまでしていた。

 しかし、一方の金正恩はどう考えているのだろうか?私は、彼は現政権つまり金王朝の維持しか念頭にはないと思う。もし南北が統一したとしても金王朝が続いて自分或いは自分の後継者がそのままトップで居られることは殆どゼロだと考えれば、現状維持の方が良いわけで、何も統一などしたくもないだろう。そこには民族統一などという高邁な思想は全く持っていないと考えられる。現状維持で金王朝による北朝鮮国家の維持以上の考えは彼には全くないと断言できる。だから、文在寅が一生懸命金正恩にメッセージを送ってもことごとく無視されてしまうのだ。

 確か、トランプが板門店にきた際だったか、文在寅がトランプと共に北側に出ようとしたところ、北側のスタッフに押しとどめられて居たのをテレビカメラが捉えていた。ここに文在寅と金正恩の思惑は全く異なっているので、両国間交渉はうまくいかなくて当然と言える。朝鮮(韓)民族にとってこれほど長い期間分断されているのは大変気の毒ではあるけども、金正恩が健在の内はやむを得ないのだろうか。