所長 深田一弥の異見!

2022年4月2日

円安これで良いのか?

 メディアがロシアのウクライナ侵略でウクライナの国土と国民が悲惨な状況になっていることを連日報道し、日本国民の目がそちらにばかり向いている間に円安が止まらない。先日は1ドル125円を付けた。エコノミストの中には間もなく130円になるのではと言うのも居る。かつて1ドル75円台にまでなったことを考えると隔世の感だ。それでも黒田日銀総裁は、円安は日本経済にとってプラス要因と考えているのか、これに対して何らかの手を打とうとしてはいない。

 前白川総裁は5年間の在任中15度の金融緩和を行ったが政府の物価上昇率目標2%には達することは出来ず、政府からのさらなる金融緩和の要請でも、彼は金融緩和による物価上昇への影響は限定的でさらなる緩和を行えば、ハイパーインフレとなる懸念があるとして従わなかった。中央銀行の役目は政府から独立して金融政策を行うべきであり、かつての経験からインフレ抑制策を採るのが本来の役目であった。

 安倍第二次政権となり、日銀の独立性を犯すように政府はさらなる金融緩和を要請するも白川総裁は従わなかったことから、在米で当時の日銀の金融政策を批判していた黒田を日銀総裁に据えた。黒田は日銀が大胆な金融緩和をすれば2年で目標の物価上昇2%は達成できると大見得を切っていた。彼は就任後直ちに黒田バズーカと言われる大胆な量的緩和を行い、それにより今までの円高基調が、一気に円安に進み、経済界特に輸出企業からは拍手喝采を持って迎えられた。安倍首相もそれ見たことかと得意満面となった。しかし、物価は一向に上がらずむしろ消費税率アップでマイナスとなってしまった。黒田総裁は消費税率が上がれば物価がそれだけ上がるので物価の上昇要因となると思っていた節がある。しかし、効果は逆でさらに消費マインドを冷えさせることになった。

 私が以前、この欄で指摘したように、円安になってからは輸入品の価格上昇になり、それまで円高により材料や商品が低価格で手に入ることで日本国内は円高による恩恵を享受していたのが一転して価格が上がり、中小企業の経営に悪影響を及ぼし、一気に消費者の購買欲を削いでしまった。しかし、黒田総裁はそんなことはお構いなしに、ゼロ金利どころかマイナス金利にまでし、国債の買い入れでさらに貨幣供給量を増やしてしまった。それでも10年経過するも一向に目標の物価2%上昇には達していない。それどころか、米国が金融緩和政策を止めたことで円安が一気に進んでしまった。

 コロナ禍もあり、原油価格高騰で消費マインドは益々冷え込んでいる。金融政策で物価を上げるのは無理ではないのか。どうしても物価を上げるのであれば、現時点では我が国はやはり消費税率の引き下げしかないであろう。それにより財政再建が難しくなるのかも知れないが景気か悪くなって財政再建が出来たとしてもそれがどうしたと言うのか。やはり先ずは景気対策が最重要でそのためには消費税率を5%にまで戻してはどうか。それで景気が良くなれば、少々金利を上げても、企業にとってそれほどの負担にはならないだろう。やはり1ドルはせいぜい100円から110円内だと輸入・輸出ともにバランスが取れるのではないか。125円以上ではむしろ原油含む原材料価格上昇で却って輸出企業も迷惑だと思うがどうか?彼の持論を実施しても円安以外、経済成長には全く成果がないのだから黒田総裁はもう限界だろう。


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