所長 深田一弥の異見!

2018年3月19日

何!米朝会談だって?

 韓国の文在寅大統領が北朝鮮に特使を送り、金正恩書記長は米国と直接会談する用意があることを伝えた。米国のトランプ大統領もこれに応ずる用意があると応えたため、世界は大騒ぎとなった。北朝鮮への圧力について我が安倍政権は米国と同一歩調を取り、国際社会へも同調を強く要請していたことから、全くハシゴを外されたと言える。

 元々、北朝鮮の核開発を阻止すべく、我が国と米国、ロシア、中国、韓国そして北朝鮮の6カ国で協議を行っていた。しかし、金正日の北朝鮮は自国に不利として2009年に六カ国協議を離脱した。各国は協議に戻るよう何度も要請したものの、北朝鮮にはその気はなく、米国との直接対話を希望していた。しかし、当時のオバマ大統領の米国は直接対話を拒絶し、あくまでも六カ国協議の場でしか応じないと突っぱねていたはずだ。北朝鮮は金正恩の時代になると核開発だけでなく大陸弾道弾の開発まで始めてしまった。

 米国は大統領がトランプの時代になり、北朝鮮問題が一番の課題として積極的に圧力をかけ続けていた。当然我が国も隣国で、しかも米軍基地もあり、拉致被害者問題もあって積極的に米国の施策に協力してきた。この経済制裁で北朝鮮の経済はかなり疲弊したことは確実と思われたが、金正恩率いる北朝鮮の強気は弱ることなく、我慢の限界に来た米国はいよいよ武力制裁に踏み切るのではと言われていた。私は米国の武力制裁には前述のとおり疑問を呈していた。

 ところが韓国の文政権は平昌冬季五輪の開催を安全に挙行すべく、北朝鮮に参加を呼びかけたところ、いともあっさりと参加を了承し、期間中は核実験やミサイル実験をしないとの約束までした。国際世論は経済制裁でいよいよ苦しくなった北朝鮮は軟化政策に出てきたなと思ったが、そこはしたたかな金正恩でそんなことはおくびにも出さず、平和国家を装い、米国の自国への軍事行動が無ければ核開発もミサイル実験もするハズがないと宣っている。

 これに乗ったのが韓国の文大統領で特使を北朝鮮に送った。金正恩は経済の苦しさには全く触れず、と言うよりどんなに自国民が苦しんでもそこにまで思いを致さないのかも知れないが、米国のトランプと交渉する用意があると言い出した。何とか政権の成果を挙げたい文大統領はそれに飛びついたことは想像に難くない。何度も脅してみるもののその効果が出なく、しかも北朝鮮を叩きつぶすにはリスクが大きすぎるとみた現実主義者のトランプが即応じたのは当然と言える。

 そうすると今まで米国の経済制裁に率先して協力してきた日本の立場は滑稽なものになってしまった。つまり、韓国と米国にまんまと出し抜かれてしまった。恐らく中国も同様だろうが日本の方がダメージは大きい。せいぜい、トランプに拉致被害者救出を願うことしかないのではないか?

 外交交渉は、他人頼みではだめなのだ。我が国が70年以上も前に米国に宣戦布告したが、あの当時政府も軍も上層部は米国に勝利できるとは考えておらず、どこかで米国が折れるか、或いは第三国が仲裁に入ってくれるのではと期待していたようだ。しかし、米英は、目障りな日本を叩く絶好のチャンスと見て徹底的に潰してきた。だから北朝鮮問題について我が国は米国のケツに付いていくだけでは絶対駄目で、独自の方針を強固に持ち、その実現のため米韓に協力するのでなければ拉致問題も解決しないだろう。安倍政権はモリカケを含め正念場である。