所長 深田一弥の異見!

2018年9月3日

スポーツマンシップを忘れた指導者達

 またまた、スポーツ世界での不祥事が発覚した。今度は体操協会で、18才の女子選手が体操界のドンであるT夫妻を告発したのだ。内容は既に多くのメディアで発信されているのでここでは詳述しないが、ちょっと前の某大学アメフト部の場合同様に、今までなら、「チンピラ如きが何を言っているのか!」と潰されてしまったようなことでも、インターネットの発達とそれを無視できないメディアにより、明るみに出されてしまうのも時代の流れと言える。

 T夫妻と言えば、夫は過去のオリンピックで3度も金メダルの栄誉に輝いた正に体操界のレジェンドである。この実績を踏まえての言動には、体操関係者の誰もが口を挟むことが出来ない存在なのだろう。妻もメダルこそないものの、日本の女子体操界ではオリンピックでトップ成績を収めたことと、何と言っても、有名体操クラブの責任者としてトップ選手を多く育てた女子体操界のレジェンドでこれまた彼女に反対する者は殆どいないであろう。そういう存在にこの女子選手は堂々と抗議をしたのだからその勇気には感心せざるを得ないし、そうせざるを得ないほど追い込まれて居たのだろう。

 さあ、そうすると同夫妻に対する怨嗟の声が次ぎ次ぎと挙がり、過去の不祥事まで明るみに出されてくるのも他のスポーツ界と同様であった。未成年の女性が声を上げるまで何故周りの大人達が声を上げなかったのだろうか?私は、今、テレビのインタビューで得々とT夫妻の横暴さを語っている体操界の面々に対して、「お前達が臆病だったんで今まで声を上げなかったからこうなってしまったのではないのか!」と言ってやりたい。これも日本的な現象かも知れないが、強い者、実績のある者、権威のある者に対してそれが間違っていても反論できずに及び腰になってしまうのは、結局自分を守るためなのだろう。

 私は若い頃からそういうことに対しては相手が誰であろうと堂々と主張して業界団体や監督官庁から煙たがられた経験がある。しかし、誰かが言わないと不合理が改善されずにいつまでもまかり通ってしまうのだ。しかし、残念なことには今回も体操界のレジェンドである夫妻もいざ権力を握ってしまうと裸の王様になってしまうのだなと思った。しかし、その後の対応についても少し前の某大学アメフト部監督や日本アマチュアボクシング協会の会長と全く同じようなみっともなさで、これがスポーツマンか、またスポーツマンを育てる指導者なのかと思わせる歯切れの悪さだ。かれらはスポーツの技だけを教えるのではなくスポーツマンシップも教えるべき存在ではないのか?

 もっとも、我が国では武道、剣道、柔道などと言うようにスポーツも道と言う考えがあり、卑怯な事や反則等は極力しないことが教えられる。しかし、本来スポーツは疑似戦争でもある。戦争はどんな卑怯な手を使っても勝ったもん勝ちである。そうするとスポーツでもズルをしたり反則をしてでも分かられなければ勝てば良いんだと言う考えになりがちである。そうさせないように出てきたのがスポーツマンシップだと聞いたことがある。良く、各スポーツで日本人選手が強くなってくると平気で白人達が有利なようにルール変更するのは水泳やスキーで経験済みだ。それが残念ながらグローバルスタンダードになっている。それに抗して日本の各スポーツ界の指導者達は、若者達を正々堂々と戦える選手になるように育成して欲しい。