所長 深田一弥の異見!

2018年6月7日

スポーツマンだけにだらしない

 日本大学のアメリカンフットボールチームの選手が、親善試合の相手校関西学院大学のチームの要であるクォーターバックの選手に対して危険な反則タックルでケガを負わせたことがメディアで大きく取り上げられている。反則をした当該選手学生は早々に記者会見をして詫びたことでむしろ男を上げたのは皮肉な結果とも言える。しかし、その会見で彼がその反則を指示したのは日大チームのコーチと監督だとの爆弾発言をしたことで一気に世論に火が付いた。

 あわてて、当該監督とコーチが記者会見をしたが、何れも当該学生への指示はなく、自分達の指示について学生が誤った理解で行った反則だと主張した。事前に当該学生の真摯な態度の会見を見ただけあって、メディアを含む世論は、彼らについては容赦なく、真実を語らず一貫して責任回避に終始したと非難している。

 昨今の学生スポーツは特に私立の大学や高校においては、学生や生徒主導のクラブ活動と言うよりは、学校が総力を挙げて支援し、勝つことで学校の知名度をアップするのに役立てようとの魂胆が明白だ。成績を上げれば学生や生徒募集に有効となるだけでなく、それに貢献した指導者は学内や校内で発言権も増し、引いては自らの出世にも繋がると言う困った面もある。そこに勝利至上主義が出てくるのは当然で、勝つためには相手に対してルールを無視してでも潰してやろうとの魂胆を持つ者もでてくるであろう。

 戦いで勝ち負けの決着をつけるスポーツは、疑似戦争でもある。実際の戦争はルールなどなくどんな卑怯な手を使ってでも勝てば官軍、負ければ賊軍となるのは歴史を見ても明白だ。しかし、一旦スポーツとなれば同じ戦いでも一定のルールの中でのみ戦い、ルールを無視すれば反則で負けとなる。だからどうしても勝ちたい者はルールスレスレか或いは審判に分からないようにルールを犯している。今、世界中を巻き込んでいるサッカーの試合を見れば良く分かるであろう。そこで言われるのはスポーツをする者の倫理としてあるのがスポーツマンシップである。

 スポーツマンとは、熱くなってしまうとついつい勝つためにズルをする本質を持っているのでそれを防ぐためにスポーツマンシップがあるのだと聞いたことがある。私の高校時代の経験だが、同級生にサッカーの優秀な選手が居て、彼は国際大会に派遣される選手に一時ノミネイトされたこともある。その彼も含めて体育の時間にクラスで二手に分かれてサッカーをした。彼は、敵方のチームとなった。たまたまゴール近くに居た私の所にボールが回ってきた。私がボールをゴールに蹴り込もうとしたところ、その彼が鬼の形相で飛んできて私を突き飛ばした。怒りと共に、私は優秀なスポーツ選手とは基本的にズルをしてまで勝とうとするのだと妙に納得したものだった。

 ところで、日大に話は戻るが、同大のアメフトチームの監督は常務理事だと言う。また理事長は相撲出身であると言う、何れも優秀なスポーツマンだそうだ。彼らの本質はズルをしても勝ちたいと考えている輩なのだろうか?だから真実を語ろうとしないし、責任も取ろうとしないのか?彼らに取って今回は敗けなのだ。真摯に敗北宣言をすべきだろう。大学は教育機関であるのに、そういう者をトップに据えているのでは、教員や職員は大変だろうし学生達も可愛そうだ。大学のブランドにも傷がつくだろう。日本大学がどのように収束をしていくのか見守って行きたい。