所長 深田一弥の異見!

2019年10月15日

またか!アメリカのご都合主義

 トルコ軍が、アメリカ軍の撤退したシリアでシリア北東部に居るクルド人を攻撃して国際的に問題となっている。クルド人はシリア、トルコやイラクに居住しているが国を持っていない最大の民族だと言う。

 彼らはアメリカの応援を受けIS掃討に尽力し、現在ISの捕虜を多数拘束している。アメリカはISの拡大が自国の利益を大きく損なうとみて、その壊滅を狙い、シリアの民主勢力等いろいろな勢力を応援してきたが、その中でもこの機会に自分たちの国を持てる可能性を夢見ていたクルド人達は女性も戦闘員となって頑張った。その時点で彼らは、アメリカは自分たちの味方だと信じていたのであろう。

 しかし、アメリカは、IS掃討の目的を達したところ、一応トルコの行動に批判はするもののクルド人を守る義理はないとばかりに彼らを見捨てた。しかし、アメリカは歴史的に目の前の敵を叩くためには主義主張が異なっても利用し、利用価値がなくなるとあっさりと切り捨ててきたので、今回もまたかということだ。

 例えばアメリカが捕らえて処刑したイラクのフセインはかつてアメリカCIAの工作員であった。9.11の首謀者と見なされてアメリカ軍により殺害されたオサマビンラーディンは、アフガンに侵攻してきたソビエト軍を叩き出すために利用したタリバンのリーダーであったのにその後アメリカは彼らがアフガンに居ては自国の利益を損なうとして敵視した。

 かつてアメリカはベトナムで長年共産勢力と戦ってきたが、北ベトナムのリーダーであったホーチミンはアメリカが日本と戦っていた際にはアメリカは彼を応援していたのは歴史の事実である。日本と熾烈な戦いをしていたアメリカは、ソ連を応援して日本を叩こうとしていた。ソ連はドイツとの戦いでそこまで手が回らないためなかなか日本に参戦しないため、満州と千島列島をやるとの飴まで出した。

 確かに当時のアメリカ大統領の周りには共産主義者が多く、ソ連にシンパシーを感じていたと言うこともあるが、アメリカ国内でも共産主義国家と手を組むことに危惧の念を持っていた人は多かった。同盟国イギリスのチャーチルはその危険性を早くから感じていたので戦後直ちに鉄のカーテンと言う言葉で分かるようにソ連を敵視し、アメリカもようやくそれに習って冷戦と言われる時代が長く続いた。

 それ以前に、中国に侵出した憎き日本を叩くためにアメリカは蒋介石率いる国民党軍を盛んに応援していたが、日本が降伏すると、漁夫の利を得た毛沢東率いる共産軍の勢いに任せ、国民党軍に殆ど手を貸さずに中国大陸を共産軍の欲しいままに任せた。冷戦時代となって事の重大さを感じた時には国民党は台湾だけの狭い島だけになってしまった。

 このようにアメリカは「敵の敵は当面は味方」との考えで利用するだけ利用して、用が済めば非情に切り捨ててもなんとも思わないのが国の方針だと言うことを良く認識すべきだ。戦後の日本は、共産主義というよりもソ連の防波堤として利用価値があった。ソ連が崩壊すると、これもアメリカに責任があるのだが、経済と軍事力が強大になった共産中国の防波堤として、充てにならない韓国や台湾よりも、日本の方が利用価値は一番あるのだろう。

 今、アメリカは中国に盛んに圧力を掛けているが、もし、中国の国力が弱まった場合、日本に対し、どんな対応をしてくるのか?アメリカは日本の味方だと言う幻想は今から捨てておいた方が良いのではないか。