事務所通信

2017年2月21日

企業防衛保険について(9)

-従業員の死亡・生存リスクに対する生命保険活用の意義(2)
前回お話しいたしましたが、企業が従業員に対する福利厚生制度を充実することが「優秀な人材の定着化」「勤労意欲の維持・向上」の観点から重要です。
また、事前準備がない場合に想定されるリスクも検討する必要があります。

突然に「労災事故」が発生した場合に果たして政府労災保険だけで対応可能でしょうか?

【政府労災保険の上乗せは必要ないか?】
①慰謝料は労災の対象外
・労災保険は、事業主の従業員に対する労務管理責任(損害賠償責任)を補うものです。しかし、カバーできない精神的損害に対する慰謝料は独自の手当が求められます。

②労災認定に時間がかかることも
・業務上か否かの判断が微妙なケースもあり、そのような場合、労災認定までに従業員・ご遺族とのトラブルにつながることもありえます。

③まとまった一時金が必要なことも
・労災保険では、「ケガの治療費」「休業補償」「遺族年金」などを支給します。まとまった一時金を用意できれば無用のトラブルの回避に有効です。

④従業員やご遺族から誠意を問われることも
・事業主が従業員を労災保険に加入させるのは法律上の義務です。それだけに、労災保険の支給だけでは、十分に誠意を尽くしたとは受け取ってもらえないこともありえます。

【生命保険活用】
会社が存続するためには、運転資金、設備資金、そして、退職金対策としての人的資金を準備する責任があります。長い時間をかけてしか準備できない資金を、生命保険活用で有効にリスク対策を検討してください。