事務所通信

2017年2月21日

企業防衛保険について(4)

今回は、標準保障額の具体的な仕組みのうち企業防衛準備資金として社内留保すべき金額をお話しいたします。

企業防衛準備資金(社内留保として当面必要な資金です。)

①運転資金(売上債権+棚卸資産-買入債務)×必要倍数
中小企業において経営者はトップセールスを行っている場合が多いため、経営者に万一のことがあった場合、事業を後継者に承継した場合の売上高の減少が予想されます。
売上債権の回収も遅延することが予想されます。運転資金の3倍は準備資金が必要です。

②固定費(人件費+固定経費)×必要月数
上記①同様、当面の資金繰りの悪化が考えられるので固定費の6ヶ月程度の準備金が必要です。

③借入金返済資金
本来事業を承継する場合、借入金の返済はすぐには不要ですが、中小企業においては「企業=経営者」という状況が考えられ、円満な取引維持のためには、金融機関等の対外信用力の維持が必要となります。現在借入金額と同額の準備資金が必要です。

④納税準備資金
運転資金や借入金返済資金として活用する保険金の収入は社内留保分として会社の資金となるため課税対象となります。従って、運転資金や借入金返済資金に保険金を全額活用する場合は、納税資金を準備しなければなりません。運転資金や借入金返済資金を十分活用できるよう同時に準備しておくべき資金です。①及び②の合計金額の40%の準備資金が必要です。

次回は、具体的な事例をあげてお話しいたします。