事務所通信

2017年2月21日

今月の注目ポイント 震災に係る税金の特例措置 Ⅰ

3月11日に発生しました東日本大震災におきまして、被災された皆様には謹んでお見舞い申し上げます。 今回は、震災に関わる特例措置のうち、災害によって住宅や家財に損害を受けた場合の所得税について記載しました。

【申告・納付期限の延長】

下記3県に納税地がある納税者については、平成23年3月11日以降に到来する国税全税目の申告・納付期限が自動的に延長されます。

○岩手県、宮城県、福島県

※青森県、茨域県も延長されていましたが、平成23年7月29日が申告・納付期限となりました。 なお、青森県および茨城県ならびに上記地域以外に納税地がある納税者について、交通事情・通信事情などやむを得ない理由により、期限内に申告・納付ができないときは、納税地の所轄税務署長に申請することにより、期限を延長することができます。

《 所得税 》

【災害によって住宅や家財に損害を受けた場合】

災害により住宅や家財に被害を受けた個人の方については、以下の2つの特例のうち、いずれかを選択することができます。 (震災は平成23年3月11日ですが特例により平成22年分より適用が可能です) なお、適用にあたっては、下記書類をご準備のうえ所轄税務署に申告が必要となります。

○雑損控除 雑損控除とは、災害等により納税者本人や総所得金額等が38万円以下の同一生計親族 が所有する資産(生活に通常必要な住宅や家具、自動車等に限ります)について 損害を受けた場合に次のうちいずれか多い方について受けられる所得控除です。 損失額が大きい場合には、翌年以後5年間繰り越すことができます。

(1)差引損失額(注1)-総所得金額等×10%

(2)差引損失額のうち災害関連支出の金額(注2)-5万円

     (注1) 差引損失額=損害金額+災害関連支出の金額-保険金等で

          補てんされる金額       ※ 保険金等とは、火災・地震保険金などをいい、被災者生活再建支援金も         該当しますが、義援金配分委員会から支給される災害義援金は         該当しません。

     (注2) 災害関連支出の金額とは、災害により滅失した住宅、家財などを           取壊し又は除去するために支出した金額です。 ○災害減免法による所得税の減免 災害によって受けた住宅や家財の損害金額(保険金等で補てんされる金額を除きます)がその時価の1/2以上で、災害にあった年の所得金額の合計額が1,000万円以下の方が対象となります。減免される所得税の金額は、所得金額に応じて変わります。  (1)所得金額が500万円以下・・・・・・・・・・・・全額免除  (2)所得金額が500万円超750万円以下・・・・・1/2免除  (3)所得金額が750万円超1,000万円以下・・・1/4免除 国税庁ホームページ下記アドレスの「東日本大震災に係る損失額計算システム」により損害額が計算できますので、ぜひご利用下さい。 https://www.keisan.nta.go.jp/shinsai/jsp/SHI00100.jsp 【住宅借入金等特別控除(住宅ローン減税)の特例】 大震災により住宅借入金等特別控除の適用を受けていた住宅について居住できなくなった場合についても、その住宅に係る住宅借入金等特別控除の残りの適用期間について、引き続き、住宅借入金等特別控除の適用を受けることができます。