事務所通信

2017年2月21日

今月の注目ポイント-「グループ法人税制って何?」

平成22年度税制改正≪グループ法人税制≫

近年、分社化や完全子会社化による企業グループの形成など、企業グループの一体的な経営が増加してきています。こうした実態を踏まえ、課税の中立性や公平性確保等の観点から、平成22年度税制改正においてグループ法人税制の整備が行われました。そのなかでも、重要と思われるものを以下に記載しました。いずれも要件に合致する場合には、選択適用ではなく強制適用となりますため注意が必要です。なお、詳しくは税理士等の専門家にご相談下さい。

【100%グループ内の法人間の資産の譲渡取引の取扱い】
完全支配関係のある100%グループ内の内国法人間で一定の資産の移転を行ったことにより生ずる譲渡損益については、その資産をグループ外へ移転等する時まで繰延べる措置が創設されました。これにより、グループ内では含み損益を実現せずに、円滑に資産移転を行うことが可能となります。

□ 適用時期:平成22年10月1日以後の譲渡取引から適用

【100%グループ内の法人間の寄附金の取扱い】
100%グループ内の内国法人間の寄附金について、支出法人において全額損金不算入とするとともに、受領法人において全額益金不算入にすることとされました。これにより、グループ内での寄附は内部での資金移動と同様に取り扱われることとなります。

□ 適用時期:平成22年10月1日以後支出する寄附金から適用

【100%グループ内の法人から受ける配当等の取扱い】
100%グループ内の内国法人からの受取配当について、益金不算入制度を適用する場合には、負債利子控除を適用しないこととされました。これにより、親会社では子会社からの配当の全額について課税が行われないこととなり、自社の株主への配当原資や設備投資原資が増加することとなります。

□ 適用時期:平成22年4月1日以後の開始事業年度から適用

◇◇ 100%グループ内の法人とは、完全支配関係(原則として、発行済株式の全部を
直接又は間接に保有する関係)のある法人をいいます ◇◇