事務所通信

2017年2月21日

中小企業経営者のための一口メモ(8)

法定相続分の具体例Ⅰ
誰がいくらの割合で相続できるかは民法に定められています。これを法定相続分といいます。
それでは、具体例により各相続人の法定相続分の割合がいくらになるかを見てみましょう

配偶者と子が相続人の場合
1.被相続人甲(亡くなった人)の相続人は、丙(後妻)と、離婚した乙(先妻)との子A・B及び丙との子C・Dがいます。各相続人の相続分はいくらですか。

○各相続人の相続分
後妻丙の相続分は、1/2です。
子A・B・C・Dの各相続分は 1/2×1/4=1/8です。

※子が2人以上いるときは、相続分は均等となります。

2. 被相続人甲の相続人は、妻乙、乙との子A・B及び丙女との非嫡出子(甲が亡くなる前に認知している)C・Dがいます。各相続人の相続分はいくらですか。

○各相続人の相続分
妻乙の相続分は、1/2です。

                            A又はB?? A??? B??? C???? D
子A・Bは嫡出子となり、各相続分は1/2× 2 /2+2+1+1=2/12=1/6
A又はB?? A??? B??? C??? D
子C・Dは非嫡出子となり、各相続分は1/2× 1? /2+2+1+1=1/12

※非嫡出子(正式な婚姻関係外のもとに出生した子)の相続分は嫡出子(正式な婚姻関係のもとに出生した子)の相続分の2分の1となります。

3.被相続人甲の相続人は、妻乙、乙との嫡出子A、丙女との非嫡出子Bです。
ただし、甲は亡くなる前に、Bを養子縁組で養子としています。各相続人の相続分はいくらですか。

○各相続人の相続分
妻乙の相続分は、1/2です。
子A・Bの各相続分は、1/2×1/2=1/4です。

※非嫡出子Bが養子縁組により嫡出子となり、子A・Bの相続分は均等となります。

次回は配偶者と直系尊属(父・母等)が相続人の場合の具体例を述べさせていただきます。