事務所通信

2017年2月21日

中小企業経営者のための一口メモ(5)

誰が相続するの
相続が発生した場合、亡くなった人の財産は誰が相続するのか、相続人が数人いる場合はどのような割合で相続するのか気になるところだと思います。

遺言により財産をもらう人が決まっている場合以外、誰が亡くなった人の遺産を相続するかは民法によって定められています。
民法では、相続人の範囲と順位について次のとおり定めています。

[相続人の範囲]

[相続人の範囲]

[相続人の順位]

○亡くなった人の配偶者は、常に相続人となります。
配偶者とは、婚姻の届出をした夫又は妻をいい、内縁関係にある人は含まれません。

○ 配偶者以外の人は次の順序で配偶者と一緒に相続人になります。

第1順位

亡くなった人の子。
その子が既に死亡しているときは、その子の孫(直系卑属)が相続人となります。また、孫が死亡していればひ孫(直系卑属)が相続人となります。これを代襲相続といいます。

第2順位

亡くなった人に子や孫(直系卑属)がいないときは、亡くなった人の父母(父母(直系尊属)が既に死亡しているときは祖父母(直系尊属))が相続人になります。 第2順位の人は、第1順位の人がいないとき相続人になります。

第3順位

亡くなった人に子や孫(直系卑属)も父母や祖父母(直系尊属)もいないときは、亡くなった人の兄弟姉妹(既に死亡しているときは、甥、姪(兄弟姉妹の子))が相続人となります。
ただし、兄弟姉妹の代襲相続は1回限りとされ甥、姪の子は相続人になれません。
第3順位の人は、第1順位の人も第2順位の人もいないとき相続人になります。


代襲相続・・・相続が発生する前に相続人となるべき人が亡くなっていた場合、その人に代わってその人の子が相続人となる制度です。
そのほか、相続人が欠格事由に該当し(民法891)、または、廃除により相続権を失った場合(民法892)にも代襲相続が発生します。しかし、相続を放棄した場合には代襲相続は発生しません。
胎児  ・・・既に生まれたものとみなします。ただし、死産のときは認められません。
養子  ・・・養子縁組によって実子とみなされます。
摘出子 ・・・正式な婚姻関係のもとに出生した子をいいます。
非摘出子・・・正式な婚姻関係外のもとに出生した子をいいます。

この場合、相続人となるためには、亡くなった人が男性の場合は認知を必要とします。亡くなった人が女性の場合は出産という事実によって親子関係が明確にできるため、認知は必要としません。