事務所通信

2017年2月21日

中小企業経営者のための一口メモ(3)

相続税の計算はどうするの?
相続税は亡くなられた方の財産を相続したとき、遺言により財産を取得したときに納める税金です。
それでは、相続税の計算のしくみを簡単に説明します。

s

1.課税価格の合計額
亡くなられた方が持っていたすべての遺産の総額(非課税財産を除く)から債務(借入金など)と葬式費用(法事や香典返しの費用は除かれます)を控除します。

2.課税遺産総額
課税価格の合計額から基礎控除額(5,000万円+1,000万円×法定相続人の数)を差引きます。この金額が0及びマイナスになる場合、申告は不要となります。

3.相続税の総額
課税遺産総額を各相続人が民法で定められた法定相続分の割合により取得したものとした金額に税率を掛けて相続税の総額を計算します。

4.各人の相続税額
相続税の総額×各相続人が実際に相続した課税価格÷課税価格の合計額の算式で計算します。

※非課税財産
①お墓、仏壇、祭具等 ②生命保険金のうち500万円×法定相続人の数までの額 ③死亡退職金のうち500万円×法定相続人の数までの額

※相続人が相続開始前3年以内に亡くなった人から贈与を受けた財産は相続財産に加算されます。ただし、贈与税の配偶者控除の特例を受けた財産は加算されません。

※相続時精算課税を適用した贈与財産は贈与時の価額で相続財産に加算されます。

※法定相続人の数
(1)相続の放棄があった場合はなかったものとされます。
(2)養子がいる場合、法定相続人の数に含めることができるのは、実子がいる場合
は1人のみ、いない場合は2人までとされます。

※法定相続分

①配偶者と子供の場合   [ 配偶者1/2、子供1/2 ]

②配偶者と親の場合    [ 配偶者2/3、 親1/3 ]

③配偶者と兄弟姉妹の場合 [ 配偶者3/4、 親1/4 ]
※配偶者の税額軽減(配偶者が相続した財産が配偶者の法定相続分相当額以下の場合、また、法定相続分を超えても1億6,000万円までは、相続税はかかりません)や小規模宅地等の評価減(亡くなった人やその人と生計を一にしていた親族が利用していた一定の宅地は評価額が減額される特例があります)などの特例を適用した場合には、税額がゼロとなっても必ず相続税の申告が必要となります。

※このように相続税の計算は複雑になっていますので、詳細は専門家に相談されてください。

それでは、次回は簡単な事例をもとに相続税の計算をしてみましょう。