事務所通信

2017年2月21日

中小企業経営者のための一口メモ(16)

公私の別を明確にせよ
中小企業は、会社の株式や持分の殆どを経営者が持っている、いわゆるオーナー企業が殆どです。つまり、経営者にとっては「自分の会社」と言えるでしょう。またそれだからこそ自分の命を削る思いで社業に専心するのでしょう。

それでついつい「どうせ自分の会社なのだから」と思って会社のモノやカネを私用に使ったり、社員を自宅の用に使ったりと言うことをしてしまいます。しかし、社員はそういうことをよく見ているもので、トップがそれをすれば自分も少しはそのようなことをしても良いのではと考えてしまいます。

厳しい業績なので給与も凍結、賞与は減額か支給しないよと言いながら、どうにも社長の個人的な付き合いや家族関連と思われる支出も会社の接待交際費にしたり、社長の家族の送迎に部下を使ったりしては、社員のやる気は出るでしょうか?

それが社内の慣習になってしまうとナンバー2も3も同じような行動します。経営者は「そんなに厳しくしなくても」と部下から言われるぐらい公私の別を明確にしていくこと、それでこそ社員から尊敬もされ、「この人のためなら頑張っても良いかな」と思われることでしょう。

小さい会社から人材が育って成長した会社の多くが、トップは当初から公私の別を明確にしていたと聞いています。だからこそ人材も育つのでしょう。ある会合の懇親会の席上、お酒の好きな地元の金融機関のトップ(ヒラ役員から抜擢された)に「年間どれぐらい交際費を使うのか」と失礼にも聞いたことがあります。

そのトップいやな顔をせずに「自分の飲み代は全て自分の金です」とのこと。その金融機関の前トップはそういうことを良く見ていたからこそ、後継者に指名したのでしょうね。