事務所通信

2017年2月21日

中小企業経営者のための一口メモ(12)

あなたは会社利益のために時間をどれだけ使っていますか?
「不況で売上が伸びないので、もっと頑張るべきなのに従業員がさっぱり稼いでくれない。」と嘆いている社長さん「ちょっと待って下さい!」。そう言ってるあなたはどれだけ会社に利益をもたらすための時間を使っていますか?

「いや、私は経営者なので指示と管理をする立場! 稼ぐのは従業員でしょ!」と社長さんは言うかも知れません。「そういう貴方の会社の従業員は何千人ですか?」「えっ、100人以内ですか?それでは稼がないのは、従業員ばかりでなく社長さん貴方もではないですか?」と私は言いたい。

会社が未だ創業社長の時は、このような会話はあまり出てきません。むしろ「社長はそんなに稼がないで従業員を上手に育ててもっと使った方が良いのでは?」と思わせる場合が多いようです。それは、創業者は大抵一人で創業して現場を良く知り、常に先頭に立って頑張ってきたからなのでしょう。

ところが成功して会社がある程度の規模になる頃に、高齢から経営者の世代交代が行われます。その後継経営者の多くは下働きの経験がないか、あるいはあっても極く僅かの期間だけで経営者になってしまいます。そうするとその経営者は現場を知らないかあるいは机上の勉強だけで知ることになってしまいます。それはご本人にとっても不幸な事なのですが。そうするとついつい経営参考書やコンサルタント等に頼ってしまいます。経営コンサルタントは一流であればあるほど何千人規模の会社には長けていますが、数人から百人程度のオーナー企業のノウハウはそれほど持ち合わせていないのが通例です。そのため社長に経営者教育を一生懸命行うのですが益々現実から乖離してしまうことが往々にしてあるのです。

社長さん!従業員が100人程度までの企業はトップ自らが先頭に立ってグイグイ引っ張っていくべき規模なのです。同業者や地域友好団体の付き合いでの懇談、飲食・ゴルフ・旅行会それも無駄とは言いません。また、人事や従業員管理も必要です。しかし、それが会社に利益をもたらしてくれる確率は極めて低いのです。この変革が激しくかつ不況の時代は、社長さんもせめて従業員と同じ時間、いやそれ以上の時間を会社利益獲得のために使ってください。

「それではどんなことをすることが利益時間なの?」それはこの次に申し上げましょう。