事務所通信

2017年2月21日

中小企業経営者のための一口メモ(11)

ものごとは常に両面から見ること
「デフレ不況から脱却できるのか?」「益々沈む地方経済!」「中小企業の廃業進む(不況と後継者難)」「円高が日本経済を直撃!輸出産業に大打撃か?」

などなど、毎日、テレビ・新聞から流される情報は人々の心を暗くさせます。特に、経営基盤の弱い中小企業の経営者にとって、これらの言葉は、いちいち心に楔を打ち込まれるようです。

デフレは今、世界的な現象で需要よりも供給が過剰なため起きています。つまり発展途上国と言われていた国々が安いコストでドンドン生産しているので起きている現象です。国内デフレの一因は、本来なら地方経済を良くするために行う、行政が発注する場合の競争入札システムが業者に赤字受注を強い、全く経済活性効果を発揮しない無駄金にしているからです。

しかし、発展途上国が自らの通貨切り上げをしてくれませんし、談合に懲りた行政は、業者が必ず利益の出るシステムに変更してはくれません。つまりこのような風潮はしばらく続くと見るべきでしょう。でも悲観はせずにこのような社会でどこにプラス点があるかを見つけることが必要です。

例えばデフレは仕入れ価格や人件費は安定していますので計画的な経営が可能です。同業者が廃業すればそれだけ競争は少なくなります。このように事象は必ず表の面だけでなく裏の面があるものです。このように考えて対策を立て実行に移したユニクロやニトリのような企業が成功しています。

今年の夏は最近にないほど暑く、辛い毎日で、厳しい暑さの大変さばかりがマスコミで報道されていますが、しかし別な面から見るとビールを初め清涼飲料水や冷菓は生産が追いつかなく、配送する運送関係も忙しい。家電ではエアコンがほぼ品切れ状態だし、水道、電気はジャブジャブ使っています。海水浴は長期間可能ですし涼を求めて飲食関係の客の入りも良いようです。晴天続きで仙台七夕も例年にない人手ですし、米も豊作のようです。そのため景気が良くなることが確実と私は見ています。

一説に依ると、平均気温が一度上がると1日で1千5百億円の経済効果があるそうです。ここ1ヶ月は平均気温が約3度高いので10兆円もの経済活性効果となりますが。

このように中小企業の経営者は常に事象を両面から見る習慣を付け、良い時にはその裏を考えて浮かれず、悪い時には良い面を見て落ち込まないようにしていくことが必要です。