書評

2017年10月11日

龍馬「海援隊」と岩崎弥太郎「三菱商会」

  • 書籍名: 龍馬「海援隊」と岩崎弥太郎「三菱商会」
  • 著 者: 童門 冬二
  • 出版社: 朝日新聞出版

昨今の鬱屈した社会情勢を何とか払拭したいという国民の願いを象徴するかのように、今はNHKの大河ドラマでとりあげられた「坂本龍馬」がブームだそうです。司馬遼太郎の筆で現代に生き返ったとも言われる龍馬ですが、本人に関しての知識は、かなり多くの人が持っていることでしょう。その龍馬は敢えて避けて、同時代に生きた同郷の傑物である三菱の創設者岩崎弥太郎を取り上げたいと思います。

三菱は戦前大財閥を形成し、戦後、GHQの意向で解体されたものの、今や三菱グループは、日本一のメガバンク三菱東京UFJ銀行、民生用だけでなく軍需品も含めて今やここで作れないものはないとまで言われている三菱重工そして世界に情報網を持つ三菱商事等多くの企業を擁し、巨大コングロマリットを形成しているとも言えます。

その三菱グループのルーツである海運業の三菱商会を幕末に立ち上げた岩崎弥太郎に興味を持ちました。彼は、龍馬が海援隊で果たせなかった夢を実現したとも言われます。単なる武器商人だったのかあるいは明治政府にすり寄った政商なのか色々評価はあるでしょうが、武士の出であるにも関わらず波乱の時代に政治に与せず商いに徹した男の生涯を歴史モノに強い作家「童門冬二」が書き下ろしています。