書評

2017年10月11日

深海8000mに挑んだ町工場 無人探査機「江戸っ子1号」プロジェクト

  • 書籍名: 深海8000mに挑んだ町工場 無人探査機「江戸っ子1号」プロジェクト
  • 著 者: 山岡 淳一郎
  • 出版社: かんき出版

 「深海8000mに挑んだ町工場」(かんき出版)は、やや技術的な内容ではありますが、 日本のモノ作りを支えてきた中小企業の町工場が従来からの下請け体質から何とか脱却 しようとの夢を持ってその実現に努力すると言うストーリーです。以前、大阪のやはり 町工場が力を合わせて「まいど1号」と言う人工衛星を作り打ち上げました。 東京の町工場はそれに対抗するには、宇宙でなく深海に挑戦しようとした物語です。 それに協力したのが今は厳しい経営のソニーの技術者達が個人的に参加、そして何より 中小企業を昔から金融面で支えてきた信用金庫がバックアップと言う胸にジンとくる 内容です。深海8000mでの撮影機器は世界最高水準の評価を得ました。小より大、 弱肉強食、モノ作りよりも証券・金融と言うような風潮に一矢を報いた清々しさを 与えてくれるものと思います。