書評

2017年10月11日

未来国家ブータン

  • 書籍名: 未来国家ブータン
  • 著 者: 高野 秀行
  • 出版社: 集英社

世間では最近「ブータン」と言う国が脚光を浴びています。

最近来日したイケメンと美女のカップルのブータン国王夫妻のせいもあるのかもしれませんが、ブータン国民は未だ多くが経済的に貧しいのにも関わらず、生活の満足度が高く、しかも国のトップリーダーへの信頼感は極めて高いそうです。それが市場原理主義と言う名の弱肉強食かつ利己主義が蔓延している現在の自由・資本主義体制で暮らしている我々にとって、心が癒される国ブータンとして憧れの的になっているようです。

「未来国家ブータン」は他の多くのブータンに関する本のようにただ礼賛するだけでなく、著者が冷静かつやや皮肉とも取れる客観的な目で実態を見ていることです。それでもなおブータンを愛していることがひしひしと伝わってくる本です。