所長 深田一弥の異見!

2018年5月16日

仮想通貨は世界の金融システムを変えられるか?

 最近、よく話題に上がっていて、しかし中身がなかなか理解出来ないものにビットコインに代表される「仮想通貨」がある。通貨とは通常、国など権威のあるところが発行していることで信用されて流通し、決済手段としている。

 しかし、仮想通貨は、信用の裏付けがなく、デジタル通貨と言われるようにネット上で創造されることで通常は発行限度があり、そこに至るまでは誰でも創造する(マイニング)ことができる。但し、マイニングにはかなりの手間が掛かり、その労力、費用そして時間を考えると、そう簡単ではないようだ。従って発行量が制限されていることから人気の仮想通貨は価値がドンドン上がり、それが通貨と言うよりも投機商品の呈をなしている。1万円投資したら1億円になったということもあったようだ。

 我が国の税制では仮想通貨は通貨でなく財産物と見なしている。しかし、本来、この仮想通貨は、ネットを通じて世界共通で流通できるので現在の通貨交換のように外国為替市場とは関係ない。

 今、外国為替市場ではいわゆる国際金融マフィアが跋扈して為替相場の変動で荒稼ぎしている。それにより時には一国の財政が破綻してしまうことすらある。国際共通通貨があればそういうことはかなり緩和されるのだが第二次大戦時のブレトンウッズ体制が続いている限り無理であろう。この仮想通貨はブレトンウッズ体制に風穴を開けてくれるのではと期待していたのだが。

 仮想通貨は国際的に決済が可能で、しかも送金手数料がどんなに遠方でもネット決済なので一瞬で済んでしまう。現在のように国際的な送金には、コルレス契約のある銀行間を介在して時間と費用が莫大に掛かるが、そういう問題が解決する。多くの国では他の通貨と交換レートは変動相場制になっているが、仮想通貨で通貨間の交換相場の変動がないと言うことは、これで交換レートの変動で金融マフィアが荒稼ぎする機会はかなり少なくなるのでは。

 今、世界経済は現物経済よりも多くの資金が流入してきてそれらが利益を稼ごうと虎視眈々と狙っている。このように付加価値を生まない、つまり生産性が全くない金融が利益を求めて世界を股に掛けていることが、富の偏りを生み、益々貧富の差を広げている。仮想通貨はそういう意味で、実経済の決済手段として使われればその効用は計り知れないだろう。

 しかし、現在、仮想通貨は残念ながら投資や投機手段としてのみ取り上げられてしまっている。それに仮想通貨は発行限度があるのかと思いきや、多くの種類の仮想通貨が発行されていて、その中には発行限度がないものもあるようだ。無制限に発行したら新規発行の度にその価値はドンドン低下していってしまい決済手段としての信用保持は難しい。

 本来、いかなる制約も受けずに発効し利用するという趣旨の仮想通貨ではあるが、残念ながら国際的な決済手段として仮想通貨を活用するならば、国際的に何らかの制限と監督が必要になってくるのだろう。今でも仮想通貨に関しては詐欺等の犯罪の被害を受けたり、犯罪組織がマネーロンダリングに利用したりと問題になっている。

 仮想通貨にはその信用力を保持するために誰にでも開示されているブロックチェーン等のネットの新技術も織り込まれていて、このブロックチェーンは他の事にも活用されているようだ。是非、この仮想通貨をより信用性の高いものにして、金融マフィアが跋扈する世界を変えて欲しいと願う。